イレッサと風邪薬の副作用(間質性肺炎)
イレッサと風邪薬の間質性肺炎を同列に扱って医師には警戒が困難だったとする詭弁が結構目立つ。
喩え話の条件
喩え話には類似点も相違点もある。 類似点がないのでは喩えになっていない。 相違点がないのでは同一の話であるから喩えとは言えない。
喩え話は、核心部分さえ類似していれば、後は、全く違う話でも構わない。 しかし、表面や細部がどんなに類似していても、核心部分が違うのでは喩え話にならない。
イレッサと風邪薬
イレッサと風邪薬の副作用について、類似点と相違点を表にまとめる。
| \ | 表面的事実 | 核心的事実 |
|---|---|---|
| 類似点 | 記載内容がソックリ | − |
| 相違点 | − | 発生頻度の推定がほぼ正反対 |
ここで言う風邪薬とはタミフル等の抗ウィルス薬のことではなく、昔からある症状緩和薬のことだろう。 他の医療機関や医師の使用実績も相当の数になるならば、伝聞も発生頻度を推測するための一定の根拠になろう。 また、使用実績が多数あるにも関わらず「頻度不明」と書かれているなら頻度が計測不能なほど症例が少ないと推測できる。 さらに、類似の医薬品があるなら、そこから副作用を推測することも不可能とは言えない。
一方、イレッサは早期承認された医薬品であり、使用実績が乏しいから伝聞で発生頻度を推測することは難しい。 また、「頻度不明」と書かれていても、どの程度の実績に基づいているのか分からないから、そこから頻度を推測することはできない。 さらに、従来型とは違う新しいタイプの抗がん剤であるので、類似薬からの副作用の推測も困難である。
以上、まとめると、風邪薬の間質性肺炎の発生頻度は低いと推測可能だが、イレッサの間質性肺炎の発生頻度が低いと推測する根拠はない。 よって、イレッサと風邪薬の間質性肺炎の発生頻度の推測はほぼ正反対であり、両者を同列に語ることはできない。
抗がん剤
もっと軽い間質性肺炎を起こす薬プロカルバジンとほぼ同一の記載だったのだ。 そちらは15年間で間質性肺炎の報告は2件、死亡は0だった。
15年間実績のある薬と承認されたばかりの新薬を同列に論じられないのは医師なら当然知ってるべき知識だろう。 そうした違いを無視して「ほぼ同一の記載」と言うのは意味がない。 比較対象が風邪薬でもプロカルバジンでも基本は同じである。
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