イレッサ弁護団は馬鹿?

本当は馬鹿? 

原告側の藁人形論法を用いた詭弁は以前から指摘してきた。

患者の利益を最優先する者から見れば、イレッサ訴訟原告は利害の一致する余地のない明確な敵である。 敵を侮ると痛い目を見るのは世の常である。 痛い目を見ないためには、敵が最強であることを前提にして対策を立てなければならない。 しかし、イレッサ訴訟原告を最強の敵と認識すると、どうしても辻褄の合わない事実が出てくる。

驚くべきことに、イレッサ訴訟原告弁護団は、判決文を自ら公開しているのである。 そして、その判決文を読めば、原告側の藁人形論法が一目瞭然となる。 どうして、わざわざ、自分たちの詭弁の種明かしになる判決文を公開するのだろうか。 どうして、そんな都合の悪いものを隠そうとはしないのだろうか。

弁護団の行動を見る限り、彼らに、隠さなければ都合が悪いという認識がないとしか考えようがない。 だとすると、彼らは、意図して詭弁を弄しているのではなく、自分たちの詭弁を詭弁だと気付いていないことになる。 無意識のうちに詭弁を弄してゴネているのだとすれば、とんだ道化だろう。

訴訟戦術 

戦術の基本 

弁護人の仕事は依頼人を勝たせることである。 綺麗事で手段を選んで依頼人を負けさせるようでは弁護人失格である。 依頼人を勝たせてこその一流弁護人である。 法に違反しない限り、どんな手段でも使うのが一流弁護人である。

しかし、イレッサ訴訟原告弁護団は、裁判に役に立たない戦術ばかり採用している。 原告弁護団が採用した戦術は、いずれも、裁判に勝つための戦術とは言い難い。

手続不備での上告却下 などの不祥事は論外である。 弁護人としてちゃんと仕事をしていればこんなことは起こり得ない。 弁護士費用をもらっておいて勝つための最低限必要の努力を怠っているならプロ失格である。

勝ち目と弁護能力 

元々、この裁判は、弁護士の引き受け手のない裁判、すなわち、原告にとって勝ち目のない裁判であった。

国や輸入販売会社「アストラゼネカ」を訴えることを決意し、15人の弁護士に相談したが「抗がん剤の副作用で死んで裁判で勝てるわけがない」と相手にされなかった。

イレッサ訴訟 国が和解拒否 原告・近沢さん司法判断待つ - 中日新聞


3月26日 訴えに向けて、相談にのってもらえる弁護士を探さなければと....市や県の相談アドバイスを手掛かりに、医療問題に詳しい弁護士を探す。 何件も何件も電話してまずは予約。 電話での感触は・・なんとも話が噛み合わない。 まだ、イレッサの被害そのものがどのようなものが分からないためだろうか。 今のところどなたも受けて貰えそうにない。 イレッサの副作用の問題について、どのように、何が出来るかをそれぞれの弁護士の方たちにに聞いてみるが、何をやりたいのか、どうしたいのか、と問われる事も。 やはり、肺ガン・抗がん剤が絡んだ提訴は基本的に無理なのだろうか?。 何とも悔しい!


4月7日 事前に電話で相談依頼していた弁護士さんとの面談の日。 今度こその思いで霞ヶ関の弁護士会館へ提訴希望の思いを抱えて相談に出向く。 医療問題には精通している弁護士さんと感じたが話しが通じない。 多少の期待を持って用意して行ったイレッサ副作用関係のファイル・書類など持参するが余り目を通してもらえず虚しさを一杯に帰路に着く。 持参した資料がズシリと重い。 何かあったらこちらの方にと言って渡された2枚の名刺が手の中で冷たく感じる。 抗がん剤の副作用死亡を訴えることには並大抵の努力では理解は得られない。 限界を感じつつも前に進んで行こう。


4月28日 娘の悔しさと悲しさを一杯にした封筒を抱えて,都内の弁護士事務所へ相談に出向きました。 肺ガンの患者・抗がん剤の絡む提訴はなかなか難しいがお話しをお聞きするだけと,事前に言われてはいましたが,出来れば何とか訴える方向でと伝えても,面談の2人の弁護士の方たちは・・本日の相談は訴訟を受けるとかではありませんとのこと。 ン?・・意味不明。 あなたは何がしたいのですかと尋ねられるなど話は噛み合いません。 腹立ちを飲み込みながら,この現状で何か出来ないのかを逆に聞き返しましたが何も答えはありません。 テーブルの下でこちら一杯に投げ出された弁護士の足が憎く感じました。 無駄骨ではあったが人生いろいろ,弁護士いろいろ。この程度で諦めるわけには行かないのです...。 規定の相談料をお支払いして退出。 次へ向ってガンバらなければ。

活動のあゆみ - イレッサ薬害被害者の会


抗議・謝罪・提訴、色いろのことを考えながらたくさんの人達に相談しました。 家族に、友達に、法律相談に、医療事故など扱っている市民団体に、そして弁護士事務所に・・何度も,何度も足を運び続けました。 このような被害が出ていることを説明して、いろんな新聞記事を用意して、異常な苦しみの中で亡くなっていったことを必死に訴えました。 少しでも私たち家族が受けた苦しみを理解して欲しかった。 そして少しでも抗議と改革に向けた可能性を感じたかったのですが、何れも理解をしてもらうまでには至りませんでした。 自分の家族の事1人の問題ならまだしも、日に日に増加し続けている死亡被害者を思えば、全く理解が得られないことは悔しい毎日で、必死の説明にも一向に話しは先に進んで行きませんでした。

「ハチのムサシ」になったとしても - イレッサ薬害被害者の会


私たちのイレッサ訴訟の場合は、提訴までに2年がかかりました。 多くの弁護士事務所を訪ねました。 多くの弁護士さんに聞いてもらいました。 長い、長い流浪の日々だったように感じました。 まるで山頭火みたいに足を引きずりました。 今日も駄目かも知れないが諦めずに探してみよう,聞いて貰うことが出来れば門戸は開かれるかも知れないと相談に出かけ続けていたら、これは酷い!薬害と言える事件です!訴えましょうと言ってくれる弁護士に辿り着きました。

弁護士を求めて・・ 提訴まで - イレッサ薬害被害者の会

日弁連の示す弁護士報酬の目安によれば、弁護士報酬は、定額+成功比例報酬である。 ようするに、勝てる裁判ほど、損害賠償額が大きいほど、弁護士の報酬は多くなる。 だから、勝てる裁判ほど、損害賠償額が大きいほど、優秀な弁護士が確保しやすい。 逆に、勝つ余地のない裁判は誰も引き受けたがらない。 だからこそ、原告は弁護士の引き受け手を捜すのに苦労したのである。 こうした勝ち目のない裁判を引き受けてくれる弁護士は、人気も実力もない残りカスの三流弁護士であることが多い。 もちろん、実力があるのに金にこだわらない正義の弁護士が存在する可能性は否定できない。 しかし、多くの場合は、実力は期待できない。

イレッサ訴訟においては、原告弁護団の戦術を見る限り、弁護士の実力は三流以下であろう。 彼らは、裁判で勝つために何が必要なのか、全く分かっていないようだ。

和解戦術 

原告が成功する見込みの全くない和解戦術に持ち込んだ不自然さ薬害イレッサ訴訟和解勧告の真相で指摘した。

裁判は、法律上どちらが正しいかを決める手続である。 しかし、揉め事は法律的な正しさを明確にすれば解決するとは限らない。 判決で法律的に白黒をハッキリさせるよりは、和解の方が双方にとって良い結果をもたらすこともある。 たとえば、ある和解 - 日本裁判官ネットワークはそうした典型的な事例だろう。 この事例では、原告側としては 切られたのは仕事じゃなくて,あなたの心,職人としてのプライド ある和解 - 日本裁判官ネットワーク を回復できたし、被告側にとっても 人事管理上の必要経費として,いくらか出してもらうことで解決 ある和解 - 日本裁判官ネットワーク することで原告が いろいろと会社に言ってきたり,他の業者に会社の悪口を言ったりする ある和解 - 日本裁判官ネットワーク ことを防げるならば、シコリを残した勝訴よりは僅かばかりの和解金を払った方が会社としての損害も少ない。

狡い戦術であるが、自分たちに有利な解決法へ導くために和解を利用することもある。 これは、社会的弱者を相手にする裁判では有効な戦術である。 法律的な常識を知らない人を相手にする時は、法律的な常識よりも相手にとって不利な判決が出る可能性があるように思わせて、自分たちに有利な和解に持ち込むことが可能だ。 判決より相手にとって有利な和解には応じないことを強調し、相手を怖がらせることが出来れば、この戦術は成功する。 そして、判決よりも相手にとって有利な和解だと思わせておいて、実は、判決よりも相手にとって不利な和解を呑ませるのである。

行政裁判においては、いずれの理由も成り立たない。 違法な行為があるならばその事実と向き合うべきだし、違法な行為がないのであれば判決で勝訴を勝ち取れば良い。 つまり、国の立場においては、和解よりも判決こそが最良の解決手段である。 また、法律の専門家である国にとっては、狡い戦術に引っ掛かる余地もない。

行政裁判で、唯一、和解に持ち込む余地があるとすれば、原告側に判決を待てない特別な事情がある場合だけである。 特別な事情とは、請求対象の事件によって現在進行形で原告が治療を受けなければならない情況におかれ、かつ、判決が出るまでの間に原告の多くが亡くなる可能性が高い場合等である。 そのような特別な事情がある場合は、政治判断で和解に持ち込まれることもある。 しかし、イレッサ“薬害”訴訟においては、そのような特別な事情は存在しない。 1名を除いて遺族による裁判であるし、生存患者の原告も裁判時には副作用から回復している。 よって、イレッサ“薬害”訴訟の原告には判決を待てない特別な事情がない。

このような状況下で、何故か、2010年11月26日に原告側は和解勧告を求める上申書を提出した。 原告側が負けを察知したのであれば、判決を回避して和解に持ち込みたくなる動機は存在する。 しかし、常識で考えて、このような被告側に応じる理由が全くない原告の一方的な都合だけを押しつけた和解戦術が成功する余地はない。 どうして、原告弁護団は、成功する見込みの全くない無意味な戦術を取ったのか。 それは、原告弁護団が裁判に勝つ術を全く理解していないダメ弁護団だったからではないのか。

尚、非現実的な和解戦術に踊らされて下手な対応をした厚生労働省も御粗末ではある。

敗因分析と対策の圧倒的不足 

ネット上の議論では、相手の主張を過小評価し,かつ、自分の主張を自画自賛して、議論に勝ったと悦に入っている事例を良く見掛ける。 しかし、そうした人の主張には、根拠不十分、かつ、相手の主張への無理解が多く見られる。 とはいえ、ネット上の議論では、事実に反した勝利宣言をしたからといって、何らかの実害が生じるわけではない。 多くの場合、中立な立場でジャッジをする人間がおらず、客観的な結論を曖昧にできるので、勝ったと言い張ることが出来る。

しかし、裁判では、裁判官が勝ち負けを判断する以上、自画自賛や勝利宣言になど何の意味もない。 裁判において意味を持つのは、当事者の評価ではなく、裁判官のジャッジである。 勝利宣言をするだけなら、自己の自画自賛基準を満足すれば事足りる。 しかし、裁判で勝つためには、裁判官の判断基準に沿って勝つ条件をクリアしなければならない。 だから、裁判では「自分的には勝ち」だといくら主張しても、勝訴には繋がらない。 裁判で勝つためには、裁判官が勝ちだと判定してくれるような条件を整えなければならない。 にもかかわらず、裁判において「自分的には勝ち」だと主張して悦に入り、結果として、勝つための対策を怠る者がいる。 それを、職業弁護士が行なっているような場合は、弁護士失格である。

裁判で勝ちたいなら、裁判官が自分の勝ちと認定してくれるであろう証拠を積上げることの他、裁判官が相手の勝ちと認定するであろう証拠を徹底的に潰すことが重要である。 いくら自分に有利な証拠を積上げても、相手がそれ以上の証拠を積上げてきたら、勝ち目はない。 相手がこちらの主張立証を上回る主張立証をして来たなら、さらにそれを上回る主張立証で補強しなければ勝ち目はない。 しかし、自分の主張立証の足りない点と相手の主張立証の鋭い点を的確に把握できなければ、主張立証の補強など出来はしない。 だから、相手の主張を正面から受け止めて、その内容を分析し、如何にして反論するかを考えなければならない。 相手の主張を過小評価しても、それは自己満足を得られるだけであって、裁判官の判断を左右することはできない。 藁人形論法で一般人を騙すことはできても、高度な法的判断をする裁判官には通じない。 相手の主張を正しく理解し、それに対して裁判官から見ても十分に通じる反論を組み立てなければ、裁判官を納得させることはできない。 裁判で勝つためには、正面から反論して相手を叩きのめさなければならないのである。

戦術として、藁人形論法と対外的にアピールしつつも、水面下では敵を侮らずに徹底的に対策を講じるやり方もある。 しかし、イレッサ訴訟原告弁護団のとっている戦術では、藁人形論法をそのまま裁判でも用いているように見える。 原告側の主張立証のほとんどは大阪地裁判決東京地裁判決で却下された。 うち、原告側の主張立証のうち重要な部分はほぼ全て却下されている。 これで原告が一部勝訴できたのは奇跡であると言って良いことは既に解説済みである。 これら地裁判決を徹底的に分析していれば、高裁での逆転判決を防ぐためには、原告側の主張立証をかなり補強しなければならないことは火を見るよりも明らかであったはずである。 しかし、高裁判決を見る限り、原告側の主張立証の補強は殆ど見られない。 また、東京高裁判決大阪高裁判決で原告側は完敗を喫しているから、当然、訴訟戦術の大幅見直しが必須であることは疑う余地がない。 しかし、原告弁護団は上告理由書等においても藁人形論法を繰り返しているだけで、正面から反論しようとさえしていない。 これでは裁判に勝つために何もしていないも同然である。

こうした原告弁護団の訴訟戦術に対しては、原告弁護団と仲が良いJ&T治験塾の辛口評価を紹介しておこう。

弁護士の中には負けると「裁判所は分かっていない」と言う方がいます。 大体こういう弁護士は使わないほうがいい。 能力不足を自白しているようなものです。

資料⑥塾長医法研5月度月例会講演録 - J&T治験塾

当会(仮)代表としても、こういう弁護士は使わないほうがいいと思う。 当会(仮)代表が万が一何らかの訴訟に巻き込まれたとしても、イレッサ訴訟原告弁護団に名を連ねる弁護士や、彼らが所属している弁護士事務所は絶対に利用しない。 形だけ弁護団に名を連ねるだけの弁護士や、形式的な法的手続をするだけの弁護士なら必要ない。 ましてや、形式的な法的手続すら満足に出来ない弁護士なら必要ない。 依頼人にとって必要なのは、勝つための戦術を編み出せる弁護士だけである。

勝つ余地のある戦術 

では、イレッサ訴訟で原告が勝つ戦術はあるのか。 結論を述べると、完全勝訴は難しいが、実質勝訴で良ければ証拠の積み重ね次第では不可能ではない。

  • 国や製薬会社に何らかの予見可能な問題があったこと
  • その予見可能な問題によって副作用死亡者数が増えたと推定できること

この2つを証明できれば、国の過失や製品の欠陥を認定させることは可能である。 しかし、本件裁判における被害との因果関係が否定される公算が高いので、本件裁判における国や製薬会社の責任を認めさせることは困難だろう。 だが、原告の目的は、国の過失や製品の欠陥により副作用死亡者数が増えたことを認定させることである。 であれば、本件裁判における責任が否定されても、国の過失や製品の欠陥が認定されれば、実質的な勝訴であると言えよう。

具体的に活用できそうな証拠としては次のようなものがある。

抗癌剤を服用していることは、初診時にかかりつけ医に伝えていました。 かかりつけ医はソリブジンをパンフレットに書かれてある用法・用量通りに、きっちりと投与し続けました。 9月14日頃から口内炎ができ始め、次第に下痢・発熱・口内炎がひどくなってきました。 9月18日の受診時に血液検査を行ったところ、白血球数が200にまで落ちていることが判明し、大学病院に緊急入院したものの、翌19日未明に亡くなりました。

ソリブジン薬害の遺族のうち、医師を訴えたのは●●さん1人です。 法律的には、製薬企業の損害賠償を全額受け取ると医師を訴えられなくなるということで、企業とは提示された4000万円のうち3000万で和解し、残りを医師に請求する形をとりました。


弁護士「抗癌剤により造血細胞が障害を受け骨髄抑制が起こるというのは常識か

被告「そうだ

弁護士「ユースビル(注:ソリブジンの商品名)の添付文書に、抗癌剤に関してはどう書いてあったか」

被告「血中濃度を高めるおそれがあると書いてあった。 しかし血中濃度をどの程度高めるのか、どういう作用があるのか、それについての文献、またそれが致死的かどうかなど、何も書いていなかった」

弁護士「ユースビルを使うことによって、(抗癌剤の血中濃度が上がり)骨髄抑制を増強すると言えるのではないか。 ●●さんにユースビルを投与したときその恐れがあることは予想できなかったのか」

被告「その恐れがあることは知っていたが、『血中濃度が上がる可能性がある』『併用投与は避けること』という程度の記載。 注意して投与すればいいのではないかと判断した。併用が禁忌とは受けとめなかった」

弁護士「『併用は避けること』と書いてあれば避けるべきではないのか」

被告「禁忌とは書いていない。あいまいな表現だ」

弁護士「添付文書の指示をその通り受け取らなかったということか」

被告「添付文書の書き方がおかしい。致死的とは書いていなかった。改訂された添付文書にはちゃんと書いてある」


裁判が和解に終わったために、薬を投与した医師の責任についてははっきりしないままです。 しかし裁判を何度か傍聴し、被告医師の言葉を聞いたかぎりでは、被告医師はその責任を製薬企業に押しつけ、自らの責任(罪)は回避しようとしていたように聞こえました。

第1回医薬ビジランスセミナー報告集第2章薬害の検証(1)ソリブジンと薬害エイズ被害者家族として

ハッキリ言って、この「かかりつけ医」はキ○ガイであろう。 驚くべきことに、この「かかりつけ医」は、「抗癌剤により造血細胞が障害を受け骨髄抑制が起こるというのは常識」と認め、「ユースビルを使うことによって」「骨髄抑制を増強する」「恐れがあることは知っていた」にも関わらず、添付文書の「併用投与は避けること」を無視したのである。 専門外の抗がん剤の副作用に対して、どうして「注意して投与すればいいのではないかと判断」できるのか。 そもそも、どう「注意」するつもりなのか。 「パンフレットに書かれてある用法・用量通りに、きっちりと投与し続け」ておいて、一体、何を「注意」したのか。

この「かかりつけ医」は、抗がん剤投与の事実を知らなかったり、「抗癌剤により造血細胞が障害を受け骨髄抑制が起こる」ことを知らなかったと言っているのではない。 この「かかりつけ医」は、抗がん剤の投与を知っていた。 「抗癌剤により造血細胞が障害を受け骨髄抑制が起こる」ことが常識だと知っていた。 「ユースビルを使うことによって」「骨髄抑制を増強する」「恐れがあることは知っていた」。 これだけ明確に危険性を認識しながら「併用が禁忌とは受けとめなかった」と言っているのだ。 常識で考えて、ここまで認識できていれば「禁忌とは書いていない」としても禁忌であろうことは容易に予測できる。 「被告医師はその責任を製薬企業に押しつけ、自らの責任(罪)は回避しようとしていたように聞こえました」のも当然だろう。

この事例は、明らかに医師が添付文書の記載を軽視したことによって生じた薬害の事例である。 残念ながら「ソリブジン薬害の遺族のうち、医師を訴えたのは●●さん1人」であるので、他のソリブジン薬害の医師がどうであったかは不明である。 こうした薬害等の事例について丁寧に調査をし、同様の添付文書軽視事例を多数集めることが出来れば、医師が添付文書を軽視する実態の証拠となる。 さらに、抗がん剤を使用する医師にも同様の実態があることを証明すればいい。 そして、それが、厚生労働省にも知ることができた事実であるならば、厚生労働省にも何らかの対策をとる責任があったと主張することも可能だろう。

とはいえ、証拠集めは困難だろう。 しかし、全く不可能というわけではない。 完全な証拠でなくても、提出しないよりはマシである。 完全な証拠でなくても、原告弁護団が実際に取った戦術に比べれば、遥かにマシであろう。 勝つ意思があるなら、どうして、少しでも足しになる証拠を提出しないのか。

尚、直接の関係はないことだが、イレッサ事件では医師の責任を国や製薬会社に転嫁するようそそのかしている浜六郎氏の医薬ビジランスセンターが「被告医師はその責任を製薬企業に押しつけ、自らの責任(罪)は回避しようとしていたように聞こえました」という記事を載せているのはビックリであろう。

イレッサ弁護団の構成弁護士 

役職 職業 氏名 事務所
団長弁護士中島 晃市民共同法律事務所
弁護士大脇 美保
弁護士湯埜 麻里子
弁護士諸富 健
事務局長弁護士永井 弘二御池総合法律事務所
弁護士長谷川 彰
弁護士住田 浩史
弁護士国分 妙子きたあかり法律事務所
弁護士玉村 匡渡辺・玉村法律事務所
弁護士武田 信裕京都総合法律事務所
弁護士武久 秀浩村田・武久法律事務所
弁護士功刀 正彦京都寺町法律事務所
弁護士青木 一平松枝法律事務所
弁護士大河原 壽貴京都第一法律事務所
弁護士藤澤 眞美
弁護士黒澤 誠司京都法律事務所
弁護士佐武 直子京都南法律事務所
弁護士尾藤 廣喜鴨川法律事務所
弁護士藤原 東子けやき法律事務所
弁護士吉田 雄大竹下法律事務所
弁護士近藤 公人滋賀第一法律事務所
弁護士神谷 誠人雄勁法律事務所
弁護士坂本 団大川・村松・坂本法律事務所
弁護士西念 京祐法円坂法律事務所
弁護士長瀬 信明田中清和法律事務所
弁護士三重 利典葵法律事務所
弁護士森野 有香柏木泰英法律事務所
弁護士中島 康之中島康之法律事務所
弁護士富増 四季鴨川法律事務所

西日本弁護団 - イレッサ薬害被害者の会

役職 職業 氏名 事務所
団長弁護士白川 博清白川法律会計事務所
事務局長弁護士阿部 哲二城北法律事務所
弁護士武田 志穂
弁護士津田 二郎
弁護士加藤 幸
弁護士白鳥 玲子
弁護士水口 真寿美三多摩法律事務所
弁護士鈴木 麗加
弁護士伊藤 茂孝菅野庄一法律事務所
弁護士望月 晶子末次・望月法律事務所
弁護士木下 正一郎きのした法律事務所
弁護士前田  哲兵
弁護士小池  純一日比谷シティ法律事務所
弁護士渕上 隆東京中央法律事務所
弁護士内山 知子佐藤勉法律事務所
弁護士岡村 実東京あさひ法律事務所
弁護士藤田 陽子
弁護士石川 順子
弁護士西田 穣東京東部法律事務所
弁護士関口 正人樫の木総合法律事務所
弁護士小川 英郎ウェール法律事務所
弁護士藤田 裕
弁護士北村 聡子北村法律会計事務所
弁護士鈴木 利廣すずかけ法律事務所
弁護士伊藤 茂孝菅野庄一法律事務所
弁護士福地 直樹福地・野田法律事務所
弁護士見附 泰範見附泰範法律事務所
弁護士宮田 学宮田法律事務所
弁護士中島 晃市民共同法律事務所
弁護士長谷川 彰御池総合法律事務所
弁護士永井 弘二
弁護士武田 信裕京都総合法律事務所
弁護士神谷 誠人雄勁法律事務所
弁護士晴柀 雄太オアシス法律事務所
弁護士早田 由布子旬報法律事務所

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