イレッサ訴訟大阪地裁判決の解説(原告敗訴)
原告は勝訴と嘯いているが、原告の主張の殆どは退けられている。 「賠償金の請求のみを目的として提訴したものではありません」と言いながら、賠償金しか認められなかったのだから、実質的に原告敗訴の判決である。
有効性等
1 イレッサの有効性
イレッサの有効性は,平成14年7月の輸入承認時及び現在のいずれにおいても,肯定することができる。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
(1)いわゆる設計上の欠陥(製造物責任法2条2項)について
前記のとおり,イレッサには,輸入承認時及び現在のいずれにおいても,また,セカンドライン及びファーストラインのいずれにおいても,その有用性を認めることができるから,製造物責任法上の設計上の欠陥があるということはできない。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
(2)いわゆる広告宣伝上の欠陥,販売指示上の欠陥等(製造物責任法2条2項)について
原告らが指摘する被告会社がしたイレッサについての情報提供等は,いずれも薬事法にいう[広告]に当たらず,また,市販直後調査が実施されたことやその当時の医学的,薬学的知見に照らせば,使用限定を付けなかったことをもって,イレッサが通常有すべき安全性を欠いたと認めることはできない。
(3)不法行為責任について
平成14年7月の輸入承認当時,イレッサの有用性を認めることができるから,被告会社について,有用性を欠く医薬品を販売したことによる過失があったと認めることはできず,その他,適応拡大による過失/広告宣伝による過失,販売上の指示(使用限定等)を怠った過失等による不法行為責任は,その前提を欠き,いずれも認められない。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
(1)有用性がないにもかかわらずイレッサの輸入を承認した違法等
前記のとおり,平成14年7月の輸入承認当時,イレッサの有用性を認めることができるから,被告国には,有用性がないにもかかわらず輸入を承認した違法はない。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
国の責任
(2)安全性確保措置をとらないまま承認した違法ないしその措置をとらなかった違法
厚生労働大臣が,被告会社に対し,輸入承認時までに,添付文書の重大な副作用欄に間質性肺炎を記載するよう行政指導をしたにとどまったことは,必ずしも万全な規制権限の行使であったとはいい難い。
しかし,厚生労働大臣は,間質性肺炎を[重大な副作用]欄に記載しただけでは,間質性肺炎に関する警戒がないままイレッサが広く用いられ,死亡を含む重篤な副作用が発症する危険が具体化することを,高度の蓋然性をもって認識することはできなかった上,被告会社は,承認審査の過程で,副作用として間質性肺炎を添付文書に記載することに消極的な態度を示していた。また,厚生労働大臣が行う添付文書の記載に関する行政指導については,製造物責任法上の指示・警告上の欠陥の判断方法とは異なり,添付文書の記載と薬事法令及び通達との適合性のみを判断する方法を採るべきであるとの考え方もあった。
(3)イレッサの輸入承認後,安全性確保のための権限を行使しなかった違法
イレッサの輸入承認後にされた副作用報告等に照らすと,厚生労働大臣が,平成14年10月15日に緊急安全性情報を配布するよう被告会社に行政指導を行うまで,イレッサによる同質性肺炎の危険を周知徹底する等の安全性確保のための措置をとらなかったこと及び前記行政指導が,時期及び内容において,その権限の性質等に照らし,許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くものであったと認めることはできない。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
判決によれば、「高度の蓋然性をもって認識することはできなかった」のだから、国の責任を認めないは当然の帰結だろう。
製薬会社の責任
「高度の蓋然性をもって認識することはできなかった」のに、製薬会社の責任が認められたのは何故だろうか。 判決によれば、製薬会社と国で判断が分かれた原因は、「厚生労働大臣が行う添付文書の記載に関する行政指導」と「製造物責任法上の指示・警告上の欠陥」の判断方法が異なるからである。 では、「製造物責任法上の指示・警告上の欠陥」について詳しく検証してみよう。
なお,前記第5の4(2)イの詔定事実のとおり,被告会社が,間質性肺炎を添付文書の重大な副作用」欄に記載したのは,審査センターの行政指導に従ったものであり,薬事法等の行政規制を前提とした審査センターの行政指導に従った以上,製造物責任法上の指示・警告上の欠陥に眩当しないとの見解があり得る。しかし,行政指導に従うことは,当該薬事行政上の関係における問題であって,製造業者とその使用者との法律関係とはその規制する局面が異なるものであるから,両者を同一に論じることはできない。そして。製造物責任法は,被害者保護の観点から,製品の欠陥を制御することができ,かつ,製品の製造販売により利益を得ている製造業者等に対し,危険責任,報償責任として,欠陥のある製品を製造販売したことによる厳格な責任を負わせるという製造物責任の考え方に基づいて解釈されるぺきであるから,医薬品の添付文書は,被害者保護の観点から,イレッサについていえば,致死的な転帰をたどりうる重篤な間質性肺炎に罹患する危険から患者をいかにして守るかという観点から判断されなけれぱならない。したがって,行政指導に従った以上製品の欠陥はないという立論は失当である。(V-115から116まで)
大阪地裁判決第五分冊-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%88%86%E5%86%8A.pdf)
「薬事行政上の関係における問題」と「製造業者とその使用者との法律関係」の「規制する局面が異なる」とする判断は法律論として完全に正しい。 これによって監督する方とされる方の責任の重さが逆転するのであれば、それは立法上の問題であって裁判所が判断することではない(ただし、補足意見としてはあり)。 そして、その場合に、どの方向で法律を改正するのか(監督する方の責任を重くするのか、監督される方の責任を軽くするのか)も立法上の問題である。
「欠陥」と損害の間の因果関係
製造物責任法では、製造業者の責任が広く取られるが、原告側の立証責任が免除されるわけではない。
逐条解説では通商産業省消費経済課の見解を元に
「従って、本法において被害者、原告側が(a)欠陥の存在(b)損害の存在(c)欠陥と損害の因果関係の存在について証明しなければならない。」
製造物責任法の逐条解説-北川俊光
としているように、製造物責任法でも「欠陥」と損害の間の因果関係は被害者側が立証しなければならない。
この点は、大阪地裁も、逐条解説と同じ判断をしている。
製造物責任法は,これを超えて更に被害者の立証責任を転換したものと解することはできない。 したがって,事実上の事実推定において,製造物責任法の立法経緯や同法の趣旨が踏まえられるぺきであるが,製造物に欠陥が存在すること及び製造物の欠陥により損害が発生したことについての主張立証責任は,原告らが負うものと解する。(V-89)
大阪地裁判決第五分冊-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E7%AC%AC%E4%BA%94%E5%88%86%E5%86%8A.pdf)
では、判決では、「欠陥」と損害の間の因果関係はどのように認定されたのか。 実は、大阪地裁は、原告側に「欠陥」と損害の間の因果関係の立証責任があると認めながら、その因果関係について検証するのをど忘れしている。 なんと、大阪地裁は、「欠陥」と損害の間の因果関係の立証なしに製造物責任を認める大誤審をやらかしてしまったのである。 さらなる詳細はイレッサ訴訟誤判(細部不当判決)の原因で解説する。
通常有すべき安全性
第二条 この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。
2 この法律において「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいう。
製造物責任法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html)
欠陥が認められるためには「その通常予見される使用形態」において「当該製造物が通常有すべき安全性を欠いている」ことが必要である。 では、「その通常予見される使用形態」や「当該製造物が通常有すべき安全性を欠いている」とは何か。 それを大阪地裁は次のように判断した。
(2)いわゆる指示・警告上の欠陥(製造物責任法2条2項)について
製薬会社は,イレッサを安全かつ適正に使用するために必要な情報を,医療現場においてこれを使用することが想定される平均的な医師等が理解することができる程度に提供(指示・警告)しなければならない。
当該医薬品を安全かつ適正に使用するために必要な情報(指示・警告)が提供されたか否かは,添付文書に記載された内容を中心に判断するのが相当である。もっとも,製薬会社は,医師等に対し,添付文書に記載された情報を補完するため,様々な方法で情報提供を行うことがあり,医師等は医学雑誌等から情報を得ることもあるから,指示・警告上の欠陥の判断においては,添付文書の記載を中心としつつ,副次的に,医師等に対して提供された情報の内容をも考慮するのが相当である。
ア 第1版添付文書における指示・警告上の欠陥について
平成14年7月当時においては,医療現場の医師等は,分子標的治療薬についての理解は十分ではなく,医学雑誌等から情報を得るほかない状況にあった。そして,必ずしも肺がん化学療法についての十分な知識と経験を有するとは限らない医師等がイレッサを使用することが予想され,また,イレッサは,患者が自宅で服用することができる経口薬であったため,薬事・食品衛生審議会で危惧されたとおり,副作用に関する警戒を十分にしないまま広く用いられる危険性があったといわざるを得ない。
他方,イレッサとの関連性が否定できない同質性肺炎が致死的な転帰をたどる可能性があったことは否定できず,従来の抗がん剤と同程度の間質性肺炎が発症する可能性はあるということが判明していた。
このような状況において,被告会社は,その関与による情報提供(プレスリリースやホームページ)において,ZD1839(イレッサ)の副作用は軽度から中等度の皮膚反応や下痢にとどまるなど,副作用が少ないことをZD1839の特筆すべき長所として強調する一方,同質性肺炎の発症の危険性を公表していなかった。
厚生労働省の通達は,副作用の記載について,内容からみて重要と考えられる事項は前の方に配列することとしており,また,警告欄は,副作用が発現することが明らかになっている場合に限らず,致死的な副作用が発現する結果極めて重大な事故につながる可能性があると考えられる場合で,かつ特に注意喚起をする必要がある場合であれば,その記載をすることができ,イレッサとの関連性が否定できない間質性肺炎を警告欄に記載することについて支障はなかった。
そうすると,被告会社は,少なくとも第1版添付文書の重大な副作用欄の最初に,間質性肺炎を記載すべきであった。また,イレッサとの関連性が否定できない間質性肺炎が致死的な転帰をたどる可能性について警告欄に記載して注意喚起を図るべきであったから,そのような注意喚起が図られないまま販売されたイレッサは,抗がん剤として通常有すべき安全性を欠いていたものといわざるを得ず,平成14年7月当時のイレッサには,製造物責任法上の指示・警告上の欠陥があったと認められる。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
大阪地裁は「平均的な医師」の判断を根本的に誤っている。
「分子標的治療薬についての理解」が十分でない「肺がん化学療法についての十分な知識と経験を有するとは限らない医師等」は、イレッサを投与してはならない。
実績の乏しい未知の新薬である以上、実績の十分な従来薬よりも、十分な知識と注意を要することは医師の間では常識である。
添付文書の重大な副作用欄に書かれてあったにもかかわらず「副作用に関する警戒を十分にしないまま広く用いられる危険性があった」とする判断は、そうした医師の常識と逆行するだけでなく、
医師が医薬品を使用するに当たって右文章に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該医師の過失が推定されるものというべきである。
最高裁判例
にも反している。
医療用医薬品において「通常有すべき安全性を欠いている」とは医師が当然の注意を払っても事故が起きるようなことを指すはずであり、医師の注意義務違反があって初めて生じる危険性に対してどうして「通常有すべき安全性を欠いている」と言えるのか理解に苦しむ。
大阪地裁は「医師等は医学雑誌等から情報を得ることもあるから,指示・警告上の欠陥の判断においては,添付文書の記載を中心としつつ,副次的に,医師等に対して提供された情報の内容をも考慮するのが相当」としながら、その医学雑誌に掲載された論文等を一切考慮していない。
大阪地裁は「プレスリリースやホームページ」だけを「医学雑誌等」から得られる情報と限定して、「副作用に関する警戒を十分にしないまま広く用いられる危険性があった」と結論づけている。
これは
必要に応じて文献を参照するなど,当該医師の置かれた状況の下で可能な限りの最新情報を収集する義務があるというべきである。
最高裁判例
にも反している。
医療用医薬品において「通常有すべき安全性を欠いている」とは医師が当然の注意を払っても事故が起きるようなことを指すはずであり、医師の注意義務違反があって初めて生じる危険性に対してどうして「通常有すべき安全性を欠いている」と言えるのか理解に苦しむ。
経口薬であることを理由に「副作用に関する警戒を十分にしないまま広く用いられる危険性があった」とするのは素人判断に基づいた根本的な勘違いである。 その詳細はイレッサ訴訟誤判(細部不当判決)の原因で解説する。
以上のとおり、大阪地裁は製造物責任法の「その通常予見される使用形態」の判断において致命的間違いを冒している。 さらなる詳細はイレッサ訴訟誤判(細部不当判決)の原因で解説する。
開発危険の抗弁
製造物責任法には「開発危険の抗弁」と呼ばれる免責条項がある。
第四条 前条の場合において、製造業者等は、次の各号に掲げる事項を証明したときは、同条に規定する賠償の責めに任じない。
一 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
製造物責任法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO085.html)
「開発危険の抗弁」について、判例検索システムでは、地裁レベルの判断基準しか見つからない。
法4条は,製造業者等が「当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては,当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと」(同条1号)を証明したときは,法3条の製造物責任を負わない旨を規定している(いわゆる開発危険の抗弁)。この規定の立法趣旨とするところは,製造業者が科学技術に関する知見を如何に駆使しても当該製造物に存在する欠陥をおよそ認識することができない場合には,そのような欠陥による損害の発生も賠償すべき責任の限度も全く予測できないにもかかわらず,なお製造業者が製造物責任を負担しなければならないとすると,製造業者においてこのような負担を恐れて新製品の開発意欲が失われ,研究開発や技術革新が停滞し,ひいては産業活力が損なわれて国民経済の健全な発展が阻害されると考えられたため,政策的配慮から,このような事態を回避しようとしたことにあると解される。他方,この開発危険の抗弁が安易に認められると,被害者救済を目的とする製造物責任制度を導入した意義が失われることは明らかであって,上記のような政策的配慮を背景とする開発危険の抗弁の立法趣旨に鑑みれば,その適用範囲は限定的に解するのが相当である。加えて,法には,不法行為における「加害者の過失」という主観的な要件を排し,物の客観的性状である「製造物の欠陥」を要件とすることで,主観的な要素である「加害者の過失」の判断に必然的に伴うばらつきを解消し,製品事故における損害賠償責任の法的安定性を確保する意義もあると解されるから,この観点からすると,上記「科学又は技術に関する知見」の基準を加害者の知見に求めるのは相当でない。以上を踏まえて法の規定を解釈すれば,法4条1号にいう「科学又は技術に関する知見」とは,科学技術に関する諸学問の成果を踏まえて,当該製造物の欠陥の有無を判断するに当たり影響を受ける程度に確立された知識のすべてをいい,それは,特定の者が有するものではなく客観的に社会に存在する知識の総体を指すものであって,当該製造物をその製造業者等が引き渡した当時において入手可能な世界最高の科学技術の水準がその判断基準とされるものと解するのが相当である。そして,製造業者等は,このような最高水準の知識をもってしても,なお当該製造物の欠陥を認識することができなかったことを証明して,初めて免責されるものと解するのが相当である。
平成13(ワ)12677 損害賠償請求 平成14年12月13日 東京地方裁判所(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/80B005E88A4A714B49256CA900167F01.pdf)
製造物責任法4条1号は,製造業者等が「当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては,当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと」を証明したときは,損害賠償の責めに任じない旨規定するところ,同号にいう「科学又は技術に関する知見」とは,当該製造物をその製造業者等が引き渡した当時において,科学技術に関する諸学問の成果を踏まえて,当該製造物の欠陥の有無を判断するに当たり影響を受ける程度に確立された知識の全てをいうものと解するのが相当である。
平成16(ワ)3089 損害賠償請求事件 平成19年11月30日 名古屋地方裁判所(http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20080313092156.pdf)
いずれの判例においても、「当該製造物をその製造業者等が引き渡した当時において入手可能な世界最高の科学技術の水準がその判断基準とされるものと解するのが相当」としている。 そして、詳細に読むと、一例でも危険性を示す情報が入手可能であり、かつ、その製品と危険性の因果関係を否定する根拠がないならば、「入手可能な世界最高の科学技術の水準」においては欠陥の認識可能性があることになる。 このような判例があったからこそ、大阪地裁は次のような判断をくだした。
したがって,その当時の知見によれば,イレッサにより間質性肺炎が発症し得ること及びそれにより死に至る可能性があったことの認識可能性はあったと認められる。
大阪地裁判決要旨-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/2011/02/26/data/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%9C%B0%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%B1%BA%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf)
本当に「当時において入手可能な世界最高の科学技術の水準」で知り得た対策を怠ったならば「開発危険の抗弁」は認められない。 では、製薬会社は本当に「当時において入手可能な世界最高の科学技術の水準」で知り得た対策を怠ったのか。 イレッサ訴訟誤判(細部不当判決)の原因にて詳細な判決文を解説するが、ここでは結論だけを述べる。 大阪地裁は、「開発危険の抗弁」においても致命的な誤審を犯している。 しかも、根拠の乏しい論理の飛躍で間違った結論を導いているのである。
まとめ
裁判所の判断は次のとおり。
- しかし、「死亡を含む重篤な副作用が発症する危険が具体化することを,高度の蓋然性をもって認識すること」までには至らなかった。
- イレッサ使用が想定される「平均的な医師」は「副作用に関する警戒を十分にしない」可能性があった。
- ただし、当時において入手可能な世界最高の科学技術の水準であれば、その可能性を認識できた。
これらの判断は最初の1つを除いて明らかな誤診である。 大阪地裁は、これらに基づいて、次のように責任を認定した。
- 高度な蓋然性をもって認識できなかったので、国には国家賠償法上の責任を問えない。
- (世界最高の科学技術の水準では)欠陥を認識可能だったので、(「開発危険の抗弁」に関する東京地裁判例により、)製薬会社には製造物責任法上の責任がある。
製造会社の責任認定は初歩的な誤審であるが、それと判断が分かれた原因は別問題である。 判断が分かれたのは、国家賠償法と製造物責任法の責任の認定範囲が違うからに過ぎない。 もちろん、大阪地裁が「欠陥」と損害の間の因果関係や「通常有すべき安全性」や開発危険の抗弁について初歩的かつ致命的な判断ミスをしたことは言うまでもない。 3つの最高裁判例や医学的事実に基づいた判断であれば、製薬会社の責任も完全に否定されただろう。 原告は「国は首の皮一枚で責任を免れた」と主張するが、実際には、首の皮一枚分の判断の誤りで製薬会社の責任が認められたにすぎない。 というより、原告を救済しようとする気持ちが強すぎて、こうした誤審を引き起こしたと考えることも出来る。 東京地裁には、このような初歩的かつ致命的な誤審をしないように願う。
この判決を受けて「国が責任を負わずに製薬会社だけに責任を負わせるのはおかしい」と怒るのは見当違いである。 この判決は、薬事承認を責任を製薬会社に一方的に負わせたわけではない。 判断が分かれた原因は、消費者保護を理由として、製造物責任法における製造業者の責任範囲が広めにとられているからである。 だから、判断が分かれたことは、製造物責任法の問題であって、薬事承認とは別の問題である。 そして、「欠陥」と損害の間の因果関係や「通常有すべき安全性」や開発危険の抗弁についての誤審がなければ、製造業者の責任が認められることはなかった。 この判決の問題は次の2点だけである。
- 「欠陥」と損害の間の因果関係および製造物責任法の「通常有すべき安全性」や開発危険の抗弁についての誤審
- 薬事承認に限らず国が製造業者の監督責任を負うべき場合の国家賠償法と製造物責任法のバランスについての立法的議論
本判決と薬事承認の責任を何処に問うべきかは全く違う問題である。
原告の詭弁
http://www.jiji.com/news/kiji_photos/20110225at50b.jpg
堂々と「勝訴」と掲げておいて
極めて不当な判決
なんて二枚舌は止めてもらいたい。
他方,判決は国の法的な責任を否定したが,アストラゼネカ社の責任で判断された事実関係は,ほとんどそのまま国にも当てはまるのであり,国の責任を否定したことは極めて不当である。指示・警告上の欠陥がある医薬品であるとされながら,これを指導監督する国に責任がないというのでは,国民の薬事行政に対する信頼を確保することはできない。
薬害イレッサ大阪判決に対する原告・弁護団声明-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/topics/2011/000138.html)
「当時の医学的知見からは一応の合理性が認められる」としているのだから「国に責任がない」と結論づけるのは当然である。 原告は決して「国の責任で判断された事実関係は,ほとんどそのまま製薬会社にも当てはまる」とは考えない。 というのも、彼らは分かっていて詭弁を弄しているからである。 ここで掲載した判決要旨はイレッサ弁護団のサイトで掲載されているものである。 だから、「厚生労働大臣が行う添付文書の記載に関する行政指導については,製造物責任法上の指示・警告上の欠陥の判断方法とは異なり,添付文書の記載と薬事法令及び通達との適合性のみを判断する方法を採るべきであるとの考え方もあった」も当然読んでいるはずである。 そして、法律の専門家である弁護士ならば、製造物責任法上の責任範囲と国家賠償法上の責任範囲の違いも当然知っているはずである。 つまり、イレッサ弁護団は、国と製薬会社の責任判断が分かれた理由を知っており、製薬会社の責任を認める事情が「ほとんどそのまま国にも当てはまる」ことはないと知っているのである。
偏向報道
判決は、副作用の危険を知らせる「緊急安全性情報」が出た02年10月15日以降は、ア社の責任を認めなかった。兵庫県内の原告の女性(48)の夫は、まさにこの日、イレッサの服用を決めた。副作用情報は知らないままで、約1カ月後に48歳で急死したが、賠償の対象からは外れた。女性は「緊急安全性情報が出たら、その日中に全国に行き渡るというのは非現実的」とコメントの形で発表した。
イレッサ副作用死:投薬訴訟 大阪地裁判決 原告、国の賠償棄却を批判-毎日新聞(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110226ddm041040014000c.html)
大阪地裁判決は、製造物責任法に基づいて添付文書の記載方法を製品の「欠陥」と認定したに過ぎない。 だから、製品の「欠陥」が改善されたなら、その改善された製品には製造物責任が認められないのである。 そのことと「緊急安全性情報が出たら、その日中に全国に行き渡る」かどうかは全く関係がない。 このコメントを発表したのは素人だから勘違いするのは仕方ないが、補足説明もせずにそのまま掲載するのは、意図的に誤解を誘導していると思われても仕方ないだろう。
原告弁護団の一人は「判決でも国の責任が認められるのではと期待したが、国家賠償法上、違法だったというほどの問題はないという判断だ。クロロキン薬害訴訟の最高裁判決を覆すことはできなかった」と話す。
95年6月のクロロキン薬害訴訟の最高裁判決は、「被害が生じてもただちに国家賠償法上の違法性は生じず、許容限度を超えて著しく合理性を欠く場合に違法性がある」との基準を示し、国の責任を否定。これが薬害訴訟での国家賠償の判例で、今回の判決もそれに沿ったものだった。
クローズアップ2011:イレッサ大阪訴訟 薬害責任、割れた結論-毎日新聞(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110226ddm003040147000c.html)
この裁判の根拠となる条文は次のとおり。
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
国家賠償法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO125.html)
これにより国の賠償責任を認めるには公務員の「故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたとき」に限られる。
そして、過失と損害の因果関係の立証は
訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、通常人が疑を差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要とし、かつ、それで足りるものである。
東大病院ルンバール事件最高裁判例
とされている。
クロロキン薬害訴訟は、それら法令や判例を踏まえて、それら法令や判例に沿った判決を下しただけに過ぎない。
つまり、「薬害訴訟での国家賠償の判例」とは、法令と従来の判例を踏襲したものでしかなく、「早見表」(裁判官が法令や判例を複数組み合わせて一から判断する…という手間が省ける)程度の意味しか持たない。
決して、「薬害訴訟での国家賠償の判例」によって、特別に国が責任を免れるように保護されているわけではないのだ。
このコメントを発表したのは原告であるから詭弁を弄しているのだろうが、補足説明もせずにそのまま掲載するのは、意図的に誤解を誘導していると思われても仕方ないだろう。
肺がん治療薬イレッサの副作用で死亡した患者の遺族らが起こした損害賠償請求訴訟で、大阪地裁は販売元のアストラゼネカ社の責任を認め計6050万円の損害賠償を支払うよう命じた。どんなに画期的な薬でも、きちんと副作用情報を伝えなければならず、そのために多数の犠牲者を出した責任は取らなければならない、と判決は明確に示した。
イレッサの添付文書には間質性肺炎という重大な副作用が記載されてはいたが、一番後ろの目立たない場所だった。それが十分な情報提供と言えるのかどうかが訴訟の焦点の一つだった。判決は「添付文書の重大な副作用欄の最初に間質性肺炎を記載すべきであり、そのような注意喚起が図られないまま販売されたイレッサは抗がん剤として通常有すべき安全性を欠いていたと言わざるを得ない」と指摘。同社に対して製造物責任法上の指示・警告上の欠陥があったことを認めた。
社説:イレッサ判決 国に責任はないのか-毎日新聞(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110227k0000m070072000c.html)
判決文を読まないのはどこの新聞社でもそうなのか? 判決文を熟読して裁判所の判断を検証するのがマスコミの責務ではないのか。 そうしたことをせずに、想像で物を言うようなマスコミは不要である。
大阪地裁は、決して、「どんなに画期的な薬でも、きちんと副作用情報を伝えなければならず、そのために多数の犠牲者を出した責任は取らなければならない」という判断を下していない。 単に、製造物責任法では製造販売業者にそこまでの責任を求めているという判断をしただけである。
「通常有すべき安全性」は文字通りの意味ではなく、製造物責任法の文言である。 同法で「通常有すべき安全性」とは、「当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮」した「当該製造物が通常有すべき安全性」のことである。 そうした法律用語を特段の説明もなく引用しては、故意に誤解を誘ったと疑われても仕方ないだろう。
そして、この裁判において争点となるのは次の2点である。
- 「通常有すべき安全性」における「通常予見される使用形態」の範囲
- 同法第四条第一号の開発危険の抗弁が成り立つかどうか
この判決で新たな判断を下したのは前者であって、後者は従来の判例に従ったに過ぎない。 驚くべきことに、大阪地裁は、最高裁判例で示された医師の義務に従わない馬鹿医師が使うことも「通常予見される使用形態」だとしたのである。 その程度の指摘もできないマスコミは不要だ。
しかし、判決に先立って裁判所が出した和解所見では国の救済責任について認めていた。判決でも国の行った行政指導が「必ずしも万全な規制権限の行使であったとは言い難い」とも指摘している。国家賠償法の違法性を認めるまでには至らないが、国の行政指導に問題があったことを認めたと読み取るべきだろう。
社説:イレッサ判決 国に責任はないのか-毎日新聞(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110227k0000m070072000c.html)
中立的な立場に立てば、「必ずしも万全な規制権限の行使であったとは言い難い」の意味は様々である。 最大限、国寄りに解釈すれば、当時の知見では必要な義務は果たしたがもっと頑張った方が良かった、という解釈も成り立つ。 「国の行政指導に問題があったことを認めた」は、国の責任に仕立て上げたい人の解釈に過ぎない。 そのような極端に偏った立場の解釈だけを一方的に掲載するならば「新聞」を名乗るのは止め「プロパガンダ誌」を名乗るべきだろう。
権限の不行使は「著しく合理性を欠く場合」にのみ違法になるとする最高裁判例に、国は救われた格好だ。判決は、製薬会社と国には、新薬の副作用情報を十分かつ理解しやすく処方医、患者に伝える責務があると指摘したといえる。
イレッサ判決が求めるもの-日本経済新聞(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E6E2E5E2EBE4E2E0E4E2E0E0E2E3E38297EAE2E2E3)
法令に対する理解も乏しく、かつ、判決も読まずに物を言うのは、日本経済新聞の伝統的なお家芸である。 新聞を名乗っておいて、三流ゴシップ誌以下の記事を書くことが恥ずかしくないのかと思う。
前述のとおり、「薬害訴訟での国家賠償の判例」は、法令と従来の判例を踏襲したものであって、それによって特別に国が責任を免れるように保護されているわけではない。 そもそも、特定の判例の内容がおかしいと主張するなら、判例のどの部分がどんな根拠に基づいておかしいのか説明すれば良い。 そうした説明すら出来ないくせに、いったい、何が「国は救われた格好」なのか。
判決を読んでいれば、大阪地裁が「高度の蓋然性をもって認識することはできなかった」と判断したことは簡単に分かる。 その判断に疑問を呈するなら分かるが、その判断から国に責任はないとする帰結には疑問の余地はない。 「高度の蓋然性をもって認識することはできなかった」はその最高裁判例とは無関係な判断であるし、その判断に基づけば最高裁判例がなくても国の責任は否定される。 よって、判決を読んでいれば、「最高裁判例に、国は救われた格好」なんてことは絶対に言えない。
イレッサは「夢の新薬」と承認前に報道され、使いやすい錠剤でもあるため、最初の3カ月で約7千人が服用し問題を大きくした。抗がん剤の専門知識に乏しい医師が処方した例もあったとされる。医師の不勉強があったのなら、それは問題だ。
イレッサ判決が求めるもの-日本経済新聞(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E6E2E5E2EBE4E2E0E4E2E0E0E2E3E38297EAE2E2E3)
他の新聞が触れない「抗がん剤の専門知識に乏しい医師が処方した例」に言及したことだけは珍しく評価できる。 しかし、それ以上深くつっこまない所は如何にも日本経済新聞らしい。 そこまで書いたら、普通は、そうした馬鹿医師の実態を調査して医師に対する規制を強化すべきだ等まで言うだろう。
判決は、肺炎の副作用を冒頭の警告欄に記載しなかった初版文書を違法とし、企業に賠償を命じた。行政指導をしなかった国の対応も万全でないとしたが、法的責任は認めなかった。不作為の認定要件を「著しく合理性を欠く場合」とした、薬害クロロキン最高裁判例(平成7年)のハードルに国が救われた形だ。
【イレッサ訴訟】薬事行政に自戒促す-MSN産経ニュース(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?sankei.jp.msn.com/affairs/news/110226/trl11022600320000-n1.htm)
産経まで、こうした偏向報道に手を染めるとは、正直、ガッカリである。 前述のとおり、「薬害訴訟での国家賠償の判例」は、法令と従来の判例を踏襲したものであって、それによって特別に国が責任を免れるように保護されているわけではない。 そもそも、特定の判例の内容がおかしいと主張するなら、判例のどの部分がどんな根拠に基づいておかしいのか説明すれば良い。 そうした説明すら出来ないくせに、いったい、何が「国は救われた格好」なのか。
添付文書の記載は、抗がん剤との併用で14人が死亡した抗ウイルス剤・ソリブジンでも問題に。「併用を避ける」という注意喚起が副作用に記載されず、被害拡大を招いたとされ、旧厚生省が「致死的な副作用は警告欄に」と通知した。こうした過去の教訓がイレッサでは生かされなかった。
【イレッサ訴訟】薬事行政に自戒促す-MSN産経ニュース(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?sankei.jp.msn.com/affairs/news/110226/trl11022600320000-n1.htm)
この記事にも書いてあるように、ソリブジン薬害は併用による相互作用の問題であって、イレッサのような単剤の副作用とは根本的に違う。 詳細はイレッサ訴訟誤判(細部不当判決)の原因にて解説する。
製薬会社の判断ミス
大阪地裁判決でも認定されているが、この事件において、製薬会社が副作用(の可能性のある症例の)情報の開示に消極的であったのは事実だろう。 確かに、製薬会社が副作用(の可能性のある症例の)情報の開示に積極的であれば、副作用被害を少なく出来た可能性はある。 しかし、そのことと法的責任の有無は別問題である。
本来、製薬会社は、法的責任を問われなくても、患者の利益になることについては積極的であるべきだ。 そして、そうした姿勢が会社としての信用になるのであり、信用と逆行する行為は長い目で見れば会社にとって不利益しかもたらさない。 これは、製薬会社に限ったことではなく、全ての会社に言えることである。 多くの会社が、知って欲しいことは積極的に開示する一方で、知られたくないことの開示には慎重になる。 しかし、会社の信用を大事にするならば、逆の行動こそが望ましい。 知られたくない情報であっても、それが真実であるならば、最終的には公開するしかない。 公表が遅れれば、それが隠蔽工作と疑われて大きな不利益になりかねない。 一方で、それが間違った情報であるならば、急いで公表しても、間違いと分かった時点で笑い話にできる。 知って欲しい情報を公表した後に、それが間違いだと分かれば、印象操作だと疑われるだろう。 一方で、知って欲しい情報の公表が遅れても、不利益は公表までの一時的なものに留まる。
製薬会社に限らず、そのことが分かってない企業が多すぎる。
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- 国と製薬会社はイレッサ訴訟の求償権を行使して医師を訴えよ!