イレッサ判決で原告が逆転敗訴・日本の「予防原則」が死んだ日?

神保哲生と宮台真司の資質 

神保哲生氏と宮台真司氏は肩書きはそれなりに立派であるが、中身が伴っていないようである。

  • 「ビデオニュース」で事実調査もせず(判決文すら読まない)に想像で物を言う
  • 自分のことを棚に上げて、想像で「主観」と決めつける

予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?も参考に。

実放送内容 

神保「まあ、ご記憶にあるかも知れないが、一応、復習しておくと、ま、その、イレッサというのは、間質性肺炎というのになって、死亡例というのが、えー、まあ、非常に増えたと、あったと。 で、その、最初の、えー、イレッサの薬のね、ま、注意書きの所に、間質性肺炎というのは、えー、まあ、副作用の中の、4つある中の、下痢だの何だのある中の1番最後に、ちょこっと書かれていて、それが、死亡にも繋がるっていうことが全く書かれていなかったと。」

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「下痢だの何だのある中の1番最後」に書いてあれば大した副作用でないと思うのは素人故の勘違いである。 重大な副作用欄に書かれた、下痢や皮膚障害は、間質性肺炎と同じく、致死的な可能性のある副作用である。 例えば、抗がん剤の副作用の下痢による死亡例も少なくはない。

イリノテカンなどは十数年前死亡例が多発し、朝日新聞で「悪魔の薬」とまで罵倒された。

これは特有の副作用である重篤な遅発性下痢から敗血症を発症して亡くなるケースが多かったのだが、こういう経験を通して、適切な対処方法が開発された。 そして今や大腸癌を始め、世界的になくてはならない抗がん剤になっている。

イレッサ訴訟の背景④問題点に回答すると - がん治療の虚実

薬剤性の下痢ではない一般的な下痢であっても、症状が酷い場合は致死的となる。

発展途上国では主な死因の一つとなっている。


特に大腸での水分吸収が行われない為に生じる脱水症状は危険である。


脱水が高度になると循環血流量が減少するため、多臓器不全(腎不全など)やショック、意識障害を招くこともある。

Wikipedia:下痢

大阪地裁判決で 下痢,中毒性表皮壊死融解症,肝機能障害は,それぞれEAPの副作用報告で死亡例が1例ずつ確認されている 平成16(ワ)7990イレッサ薬害訴訟事件平成23年02月25日大阪地方裁判所第12民事部P.744 と認定されているとおり、間質性肺炎以外の3つの重大な副作用はいずれも致死的な可能性のある副作用であった。 さらに、大阪高裁判決で、 間質性肺炎の発症と死亡との間の因果関係が否定できない死亡事例は11例であるが,イレッサと死亡との間の因果関係が比較的明確なのは1例 さらに,因果関係が比較的明確な1例は,EAPの症例であって,その報告内容の信用性には一定の限界があり, 発症頻度をいえば,INTACT各試験のイレッサ投与例は1404例,EAPが1万例を超える 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.165,166 と認定されているので、承認段階の知見における間質性肺炎と他の3つの重大な副作用の致死性の程度は、いずれもドングリの背比べであって、どれが最も危険であるかは定かではなかった。

以上のとおり、下痢や皮膚障害より後に書かれたことを問題視するのは素人故に勘違いに過ぎない。 むしろ、可能性の程度が定かでない4つの副作用を隠すことなく重大な副作用欄に掲載したことを評価すべきである。

神保「んで、途中から、まあ、その、えー、こういう緊急安全性情報っていうようなものを出して、緊急安全性情報ってのを出して、んで、警告として、えー、かなり、その、間質性肺炎について危ないんだってことを書いたら、それが激減したと。 いうことで、えー、ま、当時のいろいろな状況からですね、えー、国にも、あそ、っく、やっぱり、その、このような注意書きを、えー、承認する、えー、べきではなかったし、メーカー側にも、それをする責任があったという訴訟だったんだけれども。 すぅー、えー、基本的には高裁で、えー、全面、全面的に、まー、その、えー、予見、予見可能性とかですね、いろいろな因果関係ですね、死亡とのいろいろな、まあ、かなりテクニカルな部分で、結局、全面敗訴、というのが、出たという、ことなんですが。 すぅー、何かイレッサ判決についてはありますか、宮台さん」

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後に書くし、イレッサ訴訟東京地裁誤判(不当判決)の原因イレッサ訴訟トンデモ判決の原因分析等で何度も書いてきたが、副作用死を減少させた原因としては、緊急安全性情報でもなく、添付文書の記載でもなく、マスコミ報道である可能性が最も高い。

宮台「判決文を先ず十分に精査する余裕がないのですけれども、あの、行政の側にですね、えー、結構ですね、薬事行政については重い責務があってですね。 で、我々は、あの、薬の効能についての、まあ、例えば、検証やですね、あの、実験結果の?????については全く知ることができないので。 あの、まあ、我々、こういう、ぶ、ぶ、部分ではですね、残念ながら、あの、自治、いや、共同体自治だけでは解決できずですね。 そんときには、その、まさに、行政が、様々なサポートを提供する場面、なんですよね。 で、このサポートの提供っつうのは、逆に言うと、例えば、その提供すべきサポートがないというような不作為、これが、まあ、許されない、ということ、でもありますのでね。 その意味で、あのー、あのー、これから増々ですね、あの、行政の責務を、あの、市民主体の、行政サービス、えー、つまり、市民が普通に生きることができるための行政サービス、っていう風に、確定し、しなきゃいけない、中で、どうしても行政の負担をね、えー、責任において免除するような、こういう判決が、でるのかなあと。」

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判決をろくに読まないと自ら宣言して批判している宮台真司氏は社会学者失格である。 そして、「行政の負担」は「責任において免除する」は判決を読まない馬鹿の捏造である。 その詳細はイレッサ大阪高裁判決の解説で解説してある。

宮台「で、最近のこの判決だけじゃなくてね、マスメディアの報道を見ていても思うんだけれども、あのー、ようはマスメディアもね、あの、法律も家も、社会の実態がどうなってるのかってのを観察しながらね。 で、まさに、例えば、そ、その生きた憲法意思、なんかと同じですけどもね、生きた立法意思、なるものをね、やっぱり、そこで、やっぱり、あの、ある程度、あー、感じなきゃ駄目なんですね。 で、法律ーは、あの、まー、憲法とは違って、ま、事情変更の原則、まー、民法の概念ですけどもね、えー、それを感知する、えー、世界だと、まー、あの、考えられて、いるわけですよね。 えー、ですので、どういう事情がね、えー、変更されているのか、法適用の文脈がどのように変わってるのかってことを、あの、絶えず観察する必要がある。 で、マスメディアもそうなんですよね。 あの、今日、たまたま、あのー、まー、???????をずっと報じてきたのですけれど、細野さんが、まー、あの、総合資源、エネルギー、調査会、基本問題委員会の、あの五つの、オプションのうち15%のオプションが、ひとつの、えー、指針である、ってことをゆったのを、まあ、いろんなメディアが報じてるのをまあだいたい全部見たんですけれども、やっぱりね、バックグランドを全く知らないで、えー、」

神保「つまり、15%は何にもしないって意味だと知らないってこと?」

宮台「そうなんです。知らないんですよ。 その、何にもしないという意味だということが全く何処にも書いてないのでね。 たぶん、これもねえ、敢えて伏せた云々じゃなくて、やっぱり、記者が、判事なんかも同じですけど。 その、バックグランドをね、十分に精査、して、おらず、まー、そういう人が、オタクチックにね、局所だけ見て、えー、何かですね、解が、ソリューションが得られるという風に、あの、まあ、イニシャルの段階で勘違いをしているように思いますね。

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宮台真司氏は、イレッサのバックグランドを全く理解せずに、判決の極一部の文言だけ見て大騒ぎしている。 その、宮台真司氏が、「バックグランド」を「十分に精査」せずに「オタクチックに」「局所だけ見て」「解が、ソリューションが得られるという風に」「イニシャルの段階で勘違いをしている」とは、ご自身のことを自虐的に批判したのだろうか。

神保「あのー、まあ、こ、このイレッサはね。ちょっと僕は非常に重要だと思うので、一度、あの、本編で、あのー、まー、専門家、もしくはー、この弁護士ーの方をですねー、お招きしてー、ちょっとちゃんとやりたいと思いますー。 なのでー、そのー、ディティール、詳細はですね、ちょっと後に譲ろうと思いますが、一応、今日、あのー、えー、原告のー、弁護団の、副団長のですね水口、弁護士が、会見、あの、今、直前に、こ、厚労省で会見あったので、僕も行ってきましたので、その模様だけは、と、とりあえず見て頂けるようにしようと思います。」

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もしかして、神保哲生氏が言う「専門家」もしくは「弁護士」とは、一方の当事者のことを言うのだろうか(笑)。

神保「それでね、結局ね、二つなんですよ。あの、大きなところは、一つは、例のほら、ちっちゃい、警告しかなかったと。でも、医師なら分かったはずだって言うのが書いてあるのね。判決にね。でも、問題は、警告を大きくした瞬間に、突然、もう、その、えー、減ってるわけですよ。その、間質性肺炎の発症が。だから、分かってなかったわけ、明らかに、医師でも。」

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予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?にも書いたが、「ちっちゃい、警告しかなかった」は神保哲生氏による故意の捏造である。 さすがに、原告も、そこまで酷い嘘は言わない。 実際、原告が公開している添付文書のコピーでも、間質性肺炎は他とほぼ同等の大きさで記載されている。

イレッサ第1版添付文書

添付文書第1版 - イレッサ薬害被害者の会

添付文書第1版 - イレッサ薬害被害者の会添付文書第3版 - イレッサ薬害被害者の会 を比較しても分かるとおり、「警告を大きくした」という事実も存在しない。

予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?にも書いたが、神保哲生氏は、初版の添付文書のコピーを見ながら喋っていた。 「ちっちゃい、警告しかなかった」「警告を大きくした」という事実が存在しないことは、実物を見れば一目瞭然だろう。 なぜ、こんな見え透いた嘘をつくのか。

予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?にも書いたが、「医師なら分かったはず」「分かってなかったわけ、明らかに、医師でも」は、認識可能性と実際の認識の混同である。 「医師なら分かったはず」は認識可能性であり、「分かってなかったわけ、明らかに、医師でも」は実際の認識である。 そして、大阪高裁判決は、認識可能性と認識の差が医師の落ち度によって生じたと認定している。 これに対して反論せずに認識可能性と認識の差があることだけをいくら主張しようとも高裁判決を追認しているだけに過ぎない。

添付文書の書き方の変更で死亡者数を減らせたとする根拠は全くないし、承認時にその必要性が予見できたとする根拠もない。

イレッサ訴訟東京地裁誤判(不当判決)の原因イレッサ訴訟トンデモ判決の原因分析等で何度も書いてきたように、次のいずれが副作用死を減少させた原因かは定かでなく、可能性としてはマスコミ報道が最も高い。

  • マスコミ報道(緊急安全性情報が切っ掛けと推認できる)
  • 緊急安全性情報の発出
  • 「警告」欄への記載

承認時に、 「重大な副作用」は「重篤度分類基準」(丙D16)におけるグレード3(重篤な副作用と考えられるもの,すなわち,患者の体質や発現時の状態等によっては,死亡又は日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるもの。)を記載する 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.170 を超える副作用情報がなかったことは、大阪地裁判決東京地裁判決東京高裁判決大阪高裁判決のいずれもが認定した事実である。

神保「ね、専門医でも分かってなかったわけ。」

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神保哲生氏は「専門医でも分かってなかった」とする証拠を何ら提示していない。

神保「それは、当時、まあ、これもう一つね、別の宣伝広告で???を????してくんだけど。 あの、もう、夢の、薬みたいに、ちょっと、夢のエネルギーの話に、ひひひ、に似てるんだけど、夢の薬みたいに喧伝されて、本当に、素晴らしい効果があるって言われ、言うような、言われたので、医師達は、そういう情報に、むしろ引っ張られた。 で、その、医師なら分かるでしょって言うのが、状況からすると、明らかに、分かってなかったわけ。」

宮台「???が社会的文脈なんですよね。」

神保「でしょ?」

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神保哲生氏は意図的に判決文に触れるのを避けたようだが、これについては大阪高裁判決が イレッサが患者,医師双方から期待を持って迎えられ,肺がん専門医のみならず一般医により処方された例が皆無でないことも容易に予測できる(引用の原判決IV154頁,V79頁)が,上記のように添付文書の記載を軽視した事実主張に与することはできない。繰り返しになるが,医療用医薬品添付文書が医師等へのもっとも重要な,しかも最新の知見情報伝達手段であり, 当時の全国の肺がん治療医の何人が1審原告ら指摘の報道や記事等の情報に触れる機会があり,それをいかに理解したかは個別的であるが,まさに,そのような個別の獲得情報に影響されて薬剤情報が異なって理解されるのを避けるために,治験等の結果から得られた科学的情報が添付文書に結実し,それゆえ情報伝達媒体の基盤とされているのであって,添付文書の「重大な副作用」記載を直視することなく,あるいはそこから離れて,それまでに獲得した知識・情報を基礎に,間質性肺炎の予後が良好であり,致死的となることはないなどと考えるのか肺がん治療医の一般的知見であったとは認めるような証拠は存しない 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.173,174 と明確に反論している。 つまり、「個別の獲得情報」=「夢の薬みたいに喧伝」による「薬剤情報が異なって理解される」ことを避けるための添付文書なのだから、「個別の獲得情報」を過大評価したことは添付文書を軽視した理由にならないとして、原告の主張を退けているのである。

尚、誤解を恐れずに言えば、イレッサは、今でも夢の薬である。 事情を知らない人が「夢の薬」に持つイメージとは掛け離れているが、がん治療の実態を知る人から見れば明らかな夢の薬である。 「夢の薬」という言葉は、素人相手には誤解を生みかねない表現ではあるが、決して、嘘ではないのだ。

宮台「行政は、社会的文脈を踏まえて、あの、適切な、あの、行政指導や、ガイドラインの作成、告知をしなければいけないんですね。 で、だって、当たり前です。行政ってのは社会生活の中で出される仕事ですからね。ふふふふっ。」

神保「で、まあ、薬害についてはね、これまでの薬害の教訓から、予防原則的な立場を取るって、ま、ちょっと、原発で、ぎり、出てきた話が予防原則なんだけど。 で、取らないとどういうことになるかっていうのは、水俣もそうだし、基本、ま、薬害じゃないけど水俣はね、ようするに、同じ出じゃない、じゃないですか、文脈的には。」

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神保哲生氏はイレッサが「水俣」と「同じ出」とする証拠を何ら提示していない。

Wikipediaによると、新日窒水俣工場のアセトアルデヒド酢酸製造設備の排水が水俣病の原因とする説は、1960年代半ば頃まで、科学的根拠が極めて不十分だった。 しかし、まだ科学的評価が確定しない段階で、 1958年9月、新日窒水俣工場は、アセトアルデヒド酢酸製造設備の排水経路を、水俣湾百間港から不知火海(八代海)に面した水俣川河口の八幡プールへ変更した Wikipedia:水俣病 後の 1959年3月から水俣病患者は、水俣湾周辺に留まらず、水俣川河口付近及び隣接する津奈木町や海流の下流部にあたる鹿児島県出水市と不知火海沿岸全体に拡大していった Wikipedia:水俣病 ことによって、新日窒水俣工場のアセトアルデヒド酢酸製造設備の排水が原因であることがほぼ確実だと証明されたのである。 それから、約10年間後、同工場がアセトアルデヒドの製造を終了するまで、汚染された排水は海に流され続けた。 これらが事実であるならば、少なくとも、1959年頃には、同工場のアセトアルデヒド酢酸製造設備を停止させるべきだったと言えるだろう。

一方、イレッサは、承認当時には 間質性肺炎の発症と死亡との間の因果関係が否定できない死亡事例は11例であるが,イレッサと死亡との間の因果関係が比較的明確なのは1例 因果関係が比較的明確な1例は,EAPの症例であって,その報告内容の信用性には一定の限界があり, その重篇度は,従来の殺細胞性の抗がん剤による間質性肺炎と比較して,重篤であるとか致死的であるとする根拠はないと評価でき,本件副作用の予見をすることまではできないというほかない 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.169 として致死的な可能性しか予見できなかったとし、添付文書の記載についても 「重大な副作用」欄に記載すべき副作用が「患者の体質や発現時の状態等によっては,死亡又は日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるもの。」とされている 間質性肺炎の予後を考えれぱ,これを重篤度分類の日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるものと理解する余地はない 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.176,171 として、致死的な可能性を意味する記載がなされているとしている。 「間質性肺炎の予後を考えれぱ,これを重篤度分類の日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるものと理解する余地はない」以外は、大阪地裁判決東京地裁判決東京高裁判決大阪高裁判決のいずれもが認定した事実である。 つまり、承認当時、間質性肺炎の記載が重大な副作用欄では不十分だとする根拠はなにもなく、そう予見することは出来なかったと判決が認定しているのだ。

一体、この両者の何処が「同じ出」なのだろうか。

神保「だから、予防原則的、な、その、解釈をしてきたのに、このイレッサで、全部それが、あの、時計の針が何十年か、戻ってしまっ、たような判決になってるんですよね。 だけど、そういう文脈での行動が、殆ど見られない。 このことの重要さは非常に大きいということがね。これだけ見ると、まあ、ま、こっちもこっちもあるなあみたいな感じの書き方になってるわけ。だけど、文脈、さっき、宮台さんが社会的な文脈だと、歴史的な文脈で見ると、大変な判決なんですよ、これ、実を言うと。」

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高裁判決は、「時計の針が何十年か」戻るのを阻止した判決である。 と言っても、画期的でも何でもなく、ただ、事実と法律と判例に基づいて、普通の判決をくだしたに過ぎない。

宮台「あの、とくに、日本における予防原則はね、あの、法的な規定があるというよりも、司法の中での運用においてね、あの、この10年なら、10年ぐらいですね、やっぱり、実現されてきたっていう経緯がある、っていうことから見るとね。 恐らく、あのー、予防原則の本質的な意味について、ってことは、つまりね、社会がどう回ってるのかってことについてと同じなんですけども、たぶん、全然勉強していない判事なんでしょうね。

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宮台真司氏は、高裁判決が示した予防原則の意味を全く理解せずに、「社会がどう回ってるのか」も全く理解していないようだ。 その、宮台真司氏が、「全然勉強していない」とは、ご自身のことを自虐的に批判したのだろうか。

神保「判事といい、メディアといい、ってことになるわけね。でね、いま、いま、2つって3つですね。つまり、最初のい、最初に言ったのは医師なら分かる、分かるはずだって言うけど、状況はそれを示していないと。 警告が出たら、突然、その、えー、まー、びょ、病期の発症が減ったんだから、やっぱ、分かってなかったってことね。」

宮台「そう、警告を出してさえいれば、もっと、最初から減っていた。」

神保「防げていたことは分かっていたっていう????ですね。」

宮台「確実ですね。」

神保「んー、で、それから、もう一つはね、ま、これね、日本でね、世界に先駆けて承認してるんですよ、実は、このイレッサっていうのはね。 そういうことも含めてなんだけど、それから、今言った予防原則でしょ。」

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「警告が出た」時期と時を同じくして、「病期の発症が減った」という事実は、「病期の発症が減った」ことの原因が「警告が出た」ことだとする根拠にならない。 イレッサ訴訟東京地裁誤判(不当判決)の原因イレッサ訴訟トンデモ判決の原因分析等で何度も書いてきたように、次のいずれが副作用死を減少させた原因かは定かでなく、可能性としてはマスコミ報道が最も高い。

  • マスコミ報道(緊急安全性情報が切っ掛けと推認できる)
  • 緊急安全性情報の発出
  • 「警告」欄への記載

つまり、「警告を出してさえいれば、もっと、最初から減っていた」は、そのこと自体に根拠がないし、 また、百歩譲って「警告を出してさえいれば、もっと、最初から減っていた」としても、それを予見できた根拠も示されていない。 承認時に、 「重大な副作用」は「重篤度分類基準」(丙D16)におけるグレード3(重篤な副作用と考えられるもの,すなわち,患者の体質や発現時の状態等によっては,死亡又は日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるもの。)を記載する 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.170 を超える副作用情報がなかったことは、大阪地裁判決東京地裁判決東京高裁判決大阪高裁判決のいずれもが認定した事実である。 つまり、「防げていたことは分かっていた」は根拠のない夢物語に過ぎない。

神保「で、もう一個ね。これは、僕はね、もしかしたら、今の時代ではこれが一番、え、影響大きかったのかもしれない。 ようするに、医薬品業界の影響なんですよ。 つまり、こんな物が認められたら、日本は、一切、その、新しい、効果がある薬でも、そのリスクが怖いからってことで、承認されなくなってしまう。 っていうことになって、大変、その、ま、それこそ世界から遅れを取るとかね、そういうような、ま、キャンペーンが、医薬品メーカーから、まー、業界から張られたということで、実は、そういうことの、えー、団体が、その、あった、そのいろいろね、ま、その、アタックって呼ぶらしいんだけどもね。 アタックリストって言うのが、どうもあるらしいっていうことが、情報公開請求をした、方がいるんですね。 この、この弁護団とだぶってるんだけど。それで、出てきたのが、こういう、ものなんです。これちょっとあとで、全部、お見せに、あの、今度番組やるときお見せしますけど。例えば、これ。これ見て見なさい。」

宮台「あー、すごい。スケジュールリストですね。」

神保「それから、例えば、これ。これ。宮台さん、ここね。」

宮台「これは、つまり、いつ誰にどう??イング掛けるかみたいな話だねえ、たぶん。」

神保「だから、いつ、誰、どういう、どういうミーティングが行なわれたか、だとか、それからメールの文書が、丸々全部、真っ黒になってる、これ。 結局、そこの所って言うのは、全部、その、情報公開法、法に基づいても、やー、その、開示されないようになってると。 で、これが、もうそれこそ、実はこん中に、嘘の情報もあるかも知れないし、間違った情報、???情報もね。 つまり、嘘の情報言って、何かこんなことをやったら大変になる、っていうようなことが、来てる可能性とかもあるし。 それから、まあ、当然、もちろん、天下り問題その他に関係してるでしょ、だから、利害??の有無がこれでは確認できないわけですよ。

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言っていることが支離滅裂すぎて、聞くに堪えない。 まず、「アタックリスト」とやらがどういうものであるのか、すなわち、誰が誰にアタックするために誰が作ったリストなのか等の説明が全くない。 取り出した文書がどんな文書なのかすら説明しないのでは、自分が何が言いたいのか理解させる努力が全然足りない。 ビデオニュース・ドットコムと言いながら、視聴者にニュースを知らせる気が全くないようだ。 「医薬品メーカーから」「業界から張られた」と言いながら、医薬品メーカーや業界に効力を為さない「情報公開請求をした」という意味不明さ。 「嘘の情報」「間違った情報」があるかも知れないと言いながら、「もちろん、天下り問題その他に関係してる」と断言できるのも凄い。 常識で考えて、「丸々全部、真っ黒」で「嘘の情報」「間違った情報」があるかも知れないなら、その文書から読み取れる事実は何もない。 だから、「何かこんなことをやったら大変になる、っていうようなことが、来てる可能性」さえ読み取る余地はないはずである。 つまり、これは、「丸々全部、真っ黒」の文書から妄想を膨らませました、と言っているに等しい。 これは、典型的な陰謀論そのものである。

どうやら、この「アタックリスト」とやらは コレ のことを指しているらしい。 これは厚生労働省の作成した文書であり、「医薬品メーカーから」「業界から張られた」「キャンペーン」の証拠ではない。 当然、裁判とは何の関係もない。

神保「だから、その意味で、その、その3つが、やっぱり、あるのにも関わらず、裁判所は、全面敗訴にしてしまったと。 だから、どうも、これはね、この中身についてはまた細かくちゃんとやりたいと思うんだけど、やっぱ、これ、いわゆる、あの、メディア・ギャップって言われてるね、既存のメディアのチェック機能が、低下すると。 新しいメディアはこんな一個一個の、こんにゃくゼリーだの何だのみたいなのは、あんま、ちゃんとやろうとしないと。 ま、何か有名なケースは、みんなで、わいわい騒ぐけどね。 そうすると、誰も見てないものが、いっぱいあるから、その、役所も、裁判所も、ここぞとばかりに、こういうものをどんどんだす。 まあ、アメリカでは、新聞がなくなった、場所に、そういうことがどんどん起きてるってことは言われてるんですね。 出したところでノーリスク、ノーリスクだからね」

宮台「???でやりましたよね。」

神保「で、新聞がなくなった街の、えー、公務員の給料が上がって、云々みたいな話ね。 市長の給料が、何倍とかになってても、誰も知らないかった、ってことがあるって話があるんだけど。 まあ、それも、えー、ちょっと、どうも、メディア・ギャップという、ようなものが、いよいよ本当にここに来て。 だから、普段、マスメディアが駄目だ駄目だって言うけど、そういう一般論ではなくて、具体的にこういう所に、チェック機能が落ちてるから、逆に、そういう判決を書いてても、あの、メディアは、そんなに厳しく追及、してこない、能力もない、あるいは、広告の問題もある、ね。」

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さらに、言っていることが支離滅裂になっていて、全く、聞くに堪えない。 「これ、いわゆる、あの、メディア・ギャップ」と言う「これ」とは何か。 「メディア・ギャップ」を意味する「これ」が、一連の話の中で一切出てきていない。 とはいえ、この一連の流れよりも随分前に、「マスメディア」の「チェック機能が落ちてる」という話が少しだけあった。 しかし、「新聞がなくなった街」は、ここまで全く話題に上がっておらず、唐突に出てきた話である。 「チェック機能が落ちてる」とは言え「マスメディア」がある状態と、「新聞がなくなった」では全然違う状態である。 全く無い状態と少ないながらも有る状態は、全く違う状態である。

例えて言えば、神保哲生氏の話は、空気が薄いことを話題にしていたら、唐突に、「空気がないと人が死ぬ」と言い出すようなものである。 確かに、通常の状態に比べて、空気が薄い状態は、人間の活動に支障を生じさせる。 しかし、人が生きられる程度に空気があるならば、いくら薄くても空気がない状態とは全く違う。 空気が薄い状態を「ないも同然」と言うためには、想定している物事において、ほぼ等しい結果が得られることを示す必要がある。 例えば、人の生死に関して「ないも同然」と言うためには、人が生きるための最低の濃度に達していないことを示す必要がある。

元の話に話を戻すなら、「チェック機能が落ちてる」と「新聞がなくなった」が同然だと言うためには、「チェック機能」が社会的な効果として零に等しいくらいまで落ちていることを示す必要がある。 しかし、神保哲生氏は、そうしたことを何ら示さずに、「チェック機能が落ちてる」と「新聞がなくなった」を同一視しているのである。 これは量の曖昧さを利用した詭弁である。

とはいえ、「新聞がなくなった街」という極論を出して「チェック機能が落ちてる」ことが良くないと説明するだけなら、ただの誇張に過ぎない。 しかし、「新聞がなくなった街」を引き合いに出して、「チェック機能が落ちてるから」「そういう判決を書いてても」「メディア」は「そんなに厳しく追及」してこないし「能力もない」と言うのは、誇張ではなく論点の摺り替えである。

神保「それから、メディア側の思考が、確かに、こんなの判決通っちゃったら、アレかもな、っていうようなことを、場合によっちゃ分かんない。」

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神保哲生氏が何を言わんとするのか、場合によらずに全く「分かんない」。

神保「これは僕は、根拠も、根拠持っていうわけじゃないから、そういう言い方は良くないけど、例えば、薬品業界からの、その、何らかのアプローチ、があってもおかしくないでしょ。」

宮台「そうですね。」

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曲がりなりにもジャーナリストが曲がりなりにもニュースで発言するに当たって、「根拠持っていうわけじゃない」のに「〜があってもおかしくない」と言ってるようでは論外である。

神保「ちょっとね、やっぱり、これ、被害者にしてみると、もう、どう考えても、やっぱ、納得できない、ま、被害者分かんな、被害者こそ分かんないんですよ。」

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被害者が納得するかどうかと正義は別である。 被害者を納得させるために正義を曲げよと言うなら筋が違う。

神保「もっと言えば、添付書類なんて被害者見ないですよ。 その、イレッサについて添付書類なんてね。 だから、医師の判断であり、国の承認っていうのを全面的に信んじ、信じるわけですよね。 で、当時は、その、まー」

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添付文書は患者が見る物でないことは、大阪地裁判決東京地裁判決東京高裁判決大阪高裁判決のいずれもが認定した事実である。 それを受けて、高裁判決では、素人並の誤読はあり得ないと結論付けているのである。

宮台「医師だって人の子だからねえ、滅茶苦茶忙しい中で、夢の薬だという風に言っていればですね、そんなに危険があるかっていう風に、精査をしないでね、でー、あ、薬を投与するってことは十分あり得ることです。そのね。」

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重大な副作用欄に書かれたことなのに、「精査をしないで」「薬を投与する」なんてことが許されるわけがない。 安全に関する重大なルール違反をするのに、「人の子だから」や「滅茶苦茶忙しい」は言い訳ならない。 宮台真司氏は、一体、何を馬鹿なことを言っているのか。

神保「あのー、843人の間質性肺炎による死亡というのがあるんですけども、まー、これちょっと、これ見ていただくといいかな、これ。 これだけの死亡、死亡があるんだけど、内訳でね、843人のうち、ようーするに、最初のここに、ほとんど集中してるわけ。」

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副作用死亡報告数が突出しているのは、最初の5ヶ月であり、その間の死亡報告数の合計は143名である。 143名は、843人のうち17%に過ぎず、「ほとんど」とは言えない。 そして、薬害で死んだ人数は70人強であって、843人も居ない。

神保「で、ここで表示が変わったんですよ。 ったら、明らかに、その、それが減ってるってことは、やはり、そのリスクを十分に、そのー、」

宮台「告知をすると」

神保「告知をしない、告知をされてなかったが故に、使った、本来使うべきじゃない人達に使ったという、」

宮台「だから、不作為の責任があるということですね。」

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既に説明したように、彼らの言う事はデタラメである。 イレッサ訴訟東京地裁誤判(不当判決)の原因イレッサ訴訟トンデモ判決の原因分析等でも何度も書いている。

神保「でしょ、だから、これは、全部の843人のうち、ここに、これだけ集中してるっていうことの意味も含めて、その、状況から見ると、どう考えても、いや、つまり、これ、不可抗力ですと、もう、誰も、雷に当たっちゃったようなもんですと」

宮台「という風に言っちゃってるんだね」

神保「って言うんだったらね、被害は、そんなに死ななくて、いいはずの人が死んだっていうこともね、含めて、ちょっとやっぱ、それは。 あのー、まー、あまりにも、と、ちょっと高裁の判決が、あのー、何て言うの、まー、実は、あの、東京高裁よりも、判決文は優しい、ちょっと優しい文章になってるみたいなんだけど、でも、結局は、実質においては全く同じで、まー、全くケンモホロロ、えー、ということなんでね。 で、最高裁にはどっちも行くと、えー、いうことです。 では、ちょっと、まー、あの、裁判の中身について細かいデータなんかは今度改めて一回やりますが、このことの意味はですね、あの、ようするに、イレッサは自分は関係ないかも知れないけど、他のことでも、えー、これ影響してきますから、あ、あの、」

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既に説明した通り、「死ななくて、いいはずの人が死んだ」は70人強であり、「843人」という数値は本件とは関係がない数値である。 そして、東京高裁判決大阪高裁判決も「不可抗力です」とは一言も言ってない。 いや、医師の誤読を予見できなかったことは不可抗力だと認定しているが、「死ななくて、いいはずの人が死んだ」ことが不可抗力だとは何処にも書かれていない。

宮台「一ヶ所だけ、あの、僕はざっと読んでね、気になる所なんだけれども、この、なま、判決文をですね、その、要旨ってのを僕の手元にありますが、その、あの、この2のですね、括弧1のウなんですけどね。 えー、まー、要点だけ読みますけれども、えー、ようは、重大な副作用欄の4番目に記載されていたからといって、そのことによって本件患者らの担当医が、その、予後は良好であるとか、致死的でないと、致死的ってのは、つまり、あの、よーするに、死ぬに、死に至るっていう、あのね、ことではない、という風に理解するとは考えがたい、って言う風に、単なる主観を言っているんですよ。」

神保「ちなみに、一番目は下痢ですからね。で、間質性肺炎4番目ですからね。で、そこに死亡とか一切書いてないですからね。」

宮台「で、考え難いっていう主観を述べる根拠がねえ、えー、その、全く、分からないですよね。」

神保「まー、医師なんだから分かるでしょー、みたいな、そんな言い方だよね、だから」

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判決全文に書いてある根拠が「要旨」に書いてないのは当たり前である。 判決全文を読まずに「主観」だと決めつけるなら、それは「主観」よりもタチの悪い妄想であろう。 後で引用するが、判決全文には、「本件患者らの担当医が、その、予後は良好であるとか、致死的でないと理解するとは考えがたい」とする理由がきちんと説明されている。 判決全文には、判決根拠が、論理的、かつ、丁寧に書かれている。 そして、一つの結論に対しては多数の根拠が挙げられている。 ジャーナリストや社会学者のくせに、判決文を引用した反論を試みようともせず、妄想にのみ基づいて「単なる主観」だと批判するから、「一番目は下痢」や「そこに死亡とか一切書いてない」等の素人考えを並べた低俗な主張にしかならないのである。

宮台「あの、知識で、あのね、実際、その、致死的である、つまり、ということをね、告知ー大きくすると、医者がそのことを気にするようになったんでしょ? だったら、行政は、医者が、そ、そのことを最大限気にするように、あの、効果的な注意書きをする責務はやっぱりあるでしょ。 えー、その、どっかに紛れ込んでいるから大丈夫だとか、ね、ちゃんと????も果たしているとか、で、それで、医者が見逃したとかってことは、考え難いとか、全部あり得ないでしょ。」

神保「表示が変わったら、明らかに減ってるんだからね、えー、ね」

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既に説明したし、予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?にも書いたが、 添付文書第1版 - イレッサ薬害被害者の会添付文書第3版 - イレッサ薬害被害者の会 を比較して分かるとおり、「告知」を「大きくすると」という事実は存在しない。

「表示が変わった」時期と時を同じくして、「明らかに減ってる」という事実は、「明らかに減ってる」ことの原因が「表示が変わった」ことだとする根拠にならない。 イレッサ訴訟東京地裁誤判(不当判決)の原因イレッサ訴訟トンデモ判決の原因分析等で何度も書いてきたように、副作用死を減少させた原因としては、添付文書の記載ではなく、マスコミ報道である可能性が最も高い。 百歩譲って「効果的な注意書きをする責務」があったとしても、それを予見できた根拠も示されていない。 以上、全て、大阪高裁判決に詳しく解説している。

宮台「本当に、だから、ある種、駄目な、判事なんですね。残念な記者と同じような意味で駄目な判事だと思いますねえ。」

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これは、「ある種」に留まらず、全種で「駄目な」ジャーナリストと「残念な」社会学者の自虐的批判なのだろうか。

神保「ただ、やっぱり、ある意味では、別に、か、その、裁判官が何か利害当事者とは思っていないけど、長い物に巻かれ的な判決の典型みたいな所があるでしょ?これって。」

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裁判官が捏造データに騙されたと言うなら、まだ、主張としてはマトモな方である。 裁判官が「利害当事者」だから被告に肩入れしたとする主張でも、典型的な陰謀論ではあるものの、彼らの主張よりは遥かにマシだ。 しかし、ジャーナリストのくせに、根拠も示さず、「利害当事者」でない裁判官なのに、「長い物に巻かれ的な判決の典型みたいな所がある」では、陰謀論よりも滑稽な妄想論に過ぎない

神保「ようするに、被害者は数百人ですよ。ね、それに対して、その、まー、約、全般に対する、ま、本当に大きいかどうかもしっかり検証しなきゃいけないんで。 大きいんだ大変なんだってことを、まー、相当、えー、いろんな形で、働きかけを、どうも、やったようである、と、いうことになると、あの、ま、そういうことも多分配慮、す、するじゃないですか。 そすると、そっち、出しといた方が、無難になると、んー、ゆー感じの、やっぱ判、決、なんですよね。」

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既に説明した通り、イレッサの薬害での死亡と言える人数は70人強であって、「被害者は数百人」は大嘘である。 そして、「そっち、出しといた方が、無難になる」は荒唐無稽な妄想論である。

神保「問題は、だから、これ最高裁に行くんだけど、一つはね、え、これは元々もう二千さっきの、あの、データで見ても分かるように二千年代の、もう2002年に、二千、三とか、に、もう被害が出てる方々で、今もう十年経ってるのに、ま、ま、ようするに救済されないわけですよ。 また、その、最高裁まで行かなきゃいけないってのがね。 まー、これやっぱりその、遺族にとっては、どれだけ」

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「十年経ってる」かどうかと裁判の正しさは関係がない。

神保「まあ、とにかく、予防原則。疑いのある段階で、一定の措置をとるってことを求めるのか求めないのかっていうのが、この判決の結構重大な争点で、」その、その、ま、一定の措置っていうのがそれで十分だったかどうかっていう、ところだったんだけど、あくまで疑いなんだからっていうのが一つと、一方で医師なら分かったでしょっていうような、実は、矛盾しもしてるんですよね。」

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大阪高裁判決は、国と製薬会社が「疑いのある段階で、一定の措置」をとったと認めたのである。 よって、「一定の措置をとるってことを求めるのか求めないのかっていうのが、この判決の結構重大な争点」は大嘘である。

宮台「あのね、何何のはずであるっていうのはね、あの、その駄目な経済学者が良く言いますよね。」

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「何何のはず」と「駄目な経済学者が良く言います」は、駄目な社会学者が判決も読まずに妄想で物を言っている事実に対する自虐的批判なのだろうか。

宮台「ちゃんと書いてあるんだから、小さくても医師だったら読むはずだ、馬鹿じゃないのかっていうですね。」

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何度も書いているし、予防原則の常識を根底から覆すイレッサ逆転無罪判決?にも書いたが、「小さくても」は宮台真司氏による捏造である。 実際、原告が公開している添付文書のコピーでも、間質性肺炎は他とほぼ同等の大きさで記載されている。

イレッサ第1版添付文書

添付文書第1版 - イレッサ薬害被害者の会

不都合な真実 

神保哲生氏と宮台真司氏が使う詭弁も、原告と同じく、チェリー・ピッキングによって不都合な真実を隠蔽し、かつ、藁人形論法を使って存在しない意見への反論を主張するやり方である。

高裁判決は、原告の主張を悉く、かつ、丁寧な説明で論破している。 一例を挙げれば、 本件患者らは,いずれも肺がん治療医によってイレッサを処方されたことが認められる 患者向けの説明文書が不十分であった場合に,医師がその影響を受けるなどの立論は,その文書の名宛人から客観的に予定された役割,機能を顧慮しないものというべく,医療現場の実態にも沿わないものとして採用しない 医師が医薬品を使用するに当たっては,特段の合理的理由がない限り,医薬品の添付文書に記載された使用上の注意事項に従う義務を負うものであるから(最高裁判所平成8年1月23日第3小法廷判決・民集50巻1号1頁参照) イレッサと死亡との間の因果関係が比較的明確なのは1例 因果関係が比較的明確な1例は,EAPの症例であって,その報告内容の信用性には一定の限界があり 因果関係が明らかではないからといって,直ちにこれを無視したり,軽視したりすることは相当ではないが,因果関係が弱い症例,不明確な症例を明らかな症例と一律同等に危険性評価をするのは相当ではなく,個別の因果関係の強弱も考慮した上で危険性の評価をすべき その共通の知識水準でカバーされる事項まで煩雑な記載を行うことや,既に汎用されている添付文書の基本的約束ごとを過剰に記載することは,本来伝達されるべき情報を希釈する恐れがある 「重大な副作用」は「重篤度分類基準」(丙D16)におけるグレード3(重篤な副作用と考えられるもの,すなわち,患者の体質や発現時の状態等によっては,死亡又は日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるもの。)を記載する なお,間質性肺炎の予後を考えれぱ,これを重篤度分類の日常生活に支障を来す程度の永続的な機能不全に陥るおそれのあるものと理解する余地はない 一般医が肺がん治療に当たる場合であっても,承認されたばかりの新薬,それも種々の副作用の当然予想される抗がん剤を投与するに際し,添付文書の記載表現である重大な副作用と単なる副作用の差異も理解せず,また,多忙を理由に添付文書を読まない,あるいは,警告欄なら別だが重大な副作用欄までは必読しないなどというようなことが,医療の現場の実態であるなどという事実は,本件全証拠を検討しても,これを認めるに足る資料は発見できない 当時の全国の肺がん治療医の何人が1審原告ら指摘の報道や記事等の情報に触れる機会があり,それをいかに理解したかは個別的であるが,まさに,そのような個別の獲得情報に影響されて薬剤情報が異なって理解されるのを避けるために,治験等の結果から得られた科学的情報が添付文書に結実し,それゆえ情報伝達媒体の基盤とされているのであって,添付文書の「重大な副作用」記載を直視することなく,あるいはそこから離れて,それまでに獲得した知識・情報を基礎に,間質性肺炎の予後が良好であり,致死的となることはないなどと考えるのか肺がん治療医の一般的知見であったとは認めるような証拠は存しない 事の実質を論じてみても,重大な副作用欄に掲記すべき副作用が複数あって,各別の説明を要する場合は副作用相互に記載の先後関係が生じるのは当然であるし,同じ重大な副作用の範喘に属する種類の異なる副作用を対比し,その間に「重要な」順序をつけることは事柄の性質上困難であり,かついかなる重大な副作用が発症するかは患者毎に個別的である医療現場に,そのような副作用同士の順位付けをした注意喚起が医療上の意味を持つとも解されない 薬害イレッサ西日本訴訟大阪高裁判決(全文) - 薬害イレッサ弁護団P.159,166,168-173,175

詳細はイレッサ大阪高裁判決の解説を参照してもらいたい。 高裁判決文を読めば、そのうちの1つや2つに反論したところで、高裁判決が導く結論は揺るがないことは一目瞭然である。 それほど、高裁判決の内容は強固である。

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