“薬害”イレッサ訴訟・原告控訴に対する抗議声明

抗議声明  

2011年4月6日、原告は、“薬害”イレッサ東京判決に対し控訴しました。 この控訴を受け、当会として抗議声明を発表しました。 当Webページ上において、失笑と憤りを表明するとともに、原告に対し改めて詭弁を弄しないよう求めていくことを表明しました。

“薬害”イレッサ訴訟・原告控訴に対する抗議声明 

本日、原告は、薬害イレッサ訴訟について、2002年10月15日以降にイレッサを服用した原告に対する法的責任を否定した東京地方裁判所の判決に対し控訴した。

原告の対応は,極めて不当と言わざるを得ない。

2002年10月15日以降にイレッサを服用した原告に対する法的責任がないことは、東京地方裁判所はもとより、大阪地方裁判所も等しく指摘しているところであり、また、間質性肺炎の発症頻度や重篤度の予測が困難だったことからも争う余地はない。

原告弁護団は、原告全員の一律救済等を述べているが、これは訴訟における従前の原告の主張を繰り返しているだけである。 こうした原告の主張は2つの裁判所によって明確に否定された。 このことを全く無視した対応は、2つの裁判所の判断を謙虚に受けめることなく、徒に国や製薬会社への責任転嫁に拘泥するものに他ならず、 日本国憲法にて権利濫用を禁じられ公共の福祉のために利用する責任を負うとされた国民の姿勢として、到底受け入れられるものではない。

原告弁護団は、“薬害”イレッサ事件の教訓を“薬害”防止や抗がん剤治療に生かす等と述べているが、このような姿勢では、“薬害”を防止し、患者の利益を図ることはできない。

原告は、本件の全面解決を控訴審にゆだねる趣旨ではないとするが、これは裁判によって適正な医療制度への進歩を望む多くの患者達の願いを踏みにじり、二重三重に患者達に苦しみを与えるものである。

当会は原告らに対し、強く抗議をするとともに、改めて、真摯に裁判に臨むよう求めるものである。

原告控訴の矛盾  

こうした国の主張は2つの裁判所によって明確に否定された。 このことを全く無視した対応は,2つの裁判所の判断を謙虚に受けめることなく,徒に責任の有無に拘泥するものに他ならず,国民の生命健康を保護すべき国の姿勢として,到底受け入れられるものではない。
国の控訴を受けて抗議声明を発表しました-薬害イレッサ弁護団(http://iressa.sakura.ne.jp/jump.cgi?iressabengodan.com/topics/2011/000187.html)

仮に、「主張は2つの裁判所によって明確に否定された」ことを控訴することが「2つの裁判所の判断を謙虚に受けとめる」ことがない姿勢だとしよう。 だとすると、2002年10月15日以降にイレッサを服用した原告に対する法的責任を否定した両地裁の判決に対して控訴した原告の行為も「2つの裁判所の判断を謙虚に受けとめる」ことがない姿勢ということになる。


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