“薬害”イレッサ重大疑惑

看過できない重大疑惑 

イレッサ“薬害”には看過できない重大な疑惑がある。 それは一部の医師や一部の医療機関が全体の治療成績を大幅に下げたのではないかという疑惑である。

一部のデータが全体に影響を及ぼす例 

全体の中の極一部分のデータが、全体のデータに大きく影響を及ぼすことは、決して、珍しいことではない。

「業界全体で減らした被害者数を上回る数を“一社”で出している」。コミュニティーサイト経由で犯罪被害に遭う18歳未満の子供の数が減らないなか、業界内ではこんな不満の声が上がる。
「非出会い系」被害の子供、GREEが突出 「特定社が増やす」と業界怒り-MSN産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110218/crm11021800230000-n1.htm)

これは、医療問題とは全く関係がない事件であるが、極一部分のデータが全体のデータに影響を与える可能性を示した例にはなっている。

不適切な医療行為の実態 

原告の主治医の例は、明らかに、医師が、不適切な医療行為を行っている。 国立がんセンター中央病院内科医長を努めたこともある渡辺亨氏(がんセンター在籍時に出演した番組)は次の様に主張している。

新薬導入直後というのは、とかく過剰な期待があります。 イレッサ(ゲフィチニブ)は、世界初の肺がんの分子標的薬剤ということで、夢の薬みたいな扱いで、行政も、医療界、患者も、熱病にかかったように暴走しました。 冷静だったのは製薬企業だけだったかもしれません。 それで、数々の特例を設けて、市販される前に、自費で使用できるような行政の仕組みまで、つくられ、その間に、とんでもない不適切使用が横行しました。
当局って呼ばないで-オンコロジストの独り言(http://watanabetoru.net/2007/09/29/)


しかし、だ、この6ヶ月が、まるで野放し状態になったのであった。 ここは、医療界は深く反省すべきである。 状況はこうだ。 1錠当たり8000円払えば、打つ手がないといわれた末期のがん患者に、しかも、肺癌だろうが、大腸癌だろうが、乳癌だろうが、胃癌だろうが、夢の薬が手に入るらしい、ということで、癌治療医だろうが、癌のことはあまりよくしらない医師だろうがイレッサを処方した。 がん患者が知り合いの歯科医に頼んで処方してもらった、という噂もあった。 このような状況で死亡者がたくさん出たということだが、イレッサの副作用の患者もいただろうが、末期の癌で死亡した患者も相当数いたのは確実である。 新薬がでると、わらをもすがる気持ちで、それを求める、という気持ちは、誰にでもあるだろう。 ただ、コントロール不能に陥った6カ月間で、今まで、「夢のくすり」ともてはやしていたマスコミも、がらりと態度を変え「薬害の犯人探し」というような論調になった。 当時、国立がんセンター中央病院に在籍していた私はイレッサ開発の当事者ではなかったが、「副作用死はなぜ防げなかったか」を特集したNHKの報道対談番組に出演したことがあった。 もともと肺に病気のある状況であること、コントロールできない状況で多数の患者に使われたこと、などが原因という話はしたような気がする。
医療者の沈黙-オンコロジストの独り言(http://watanabetoru.net/2010/10/31/)

本当に歯科医が処方したのだとすれば、医療倫理的に論外の行為だろう。 国立がんセンター東病院院長(当時)も次のように証言している。

「一般の開業の先生や、がんの専門でない人達も含めて、イレッサで治せるというふうに思って、適応でない患者さん、例えば、肺臓炎を既に持っている患者さんなどにもたくさん使われてしまった。 そういうこともあり、予想もしない様な有害事象が、かなり高率に出たのではないかと思います。」(国立がんセンター東病院・吉田茂昭院長)
がんサポートキャンペーン 第3回 揺れる抗がん剤イレッサ(http://www.nhk.or.jp/heart-net/support/yotei/050214.html)

専門知識のある人が「適応でない患者さん」に「イレッサで治せる」と思って投与を試みることは、インフォームドコンセントが適切であり、かつ、治療法の模索と必要であるならば、とくに問題はないだろう。 しかし、「一般の開業の先生や、がんの専門でない人達」で副作用も満足に管理できない医師が「適応でない患者さん」に投与することは、治療に名を借りたインチキ行為でしかない。 その他にも次のような話がある。

イレッサが不幸だったのは、そうした認識の元で非常に安易に大量にくすりが使われてしまったということです。 なかには、アガリクスなどの代替医療と同じ感覚で患者にイレッサを処方する医療機関もありました。
イレッサ〔概要編〕-がんサポート情報センター(http://www.gsic.jp/medicine/mc_01/01/)

「アガリクスなどの代替医療と同じ感覚」には呆れる他ない。 製薬会社の見解にも医師や医療機関の対応の不備が見て取れる。

4.アストラゼネカの市販直後調査は厚生労働省の指針に違反していたのか。
アストラゼネカは関連症例、通知等の趣旨を尊重、遵守してイレッサにかかわる市販後調査を誠実に実施しております。
平成12年12月27日付医薬安第166号「医療用医薬品の市販直後調査等の実施方法に関するガイドラインについて」(課長通知)においては、 「納入前に医薬情報担当者による説明及び協力依頼を実施できない場合は、納入前に文書で説明及び協力依頼の内容を連絡の上、 納入開始後2週間以内を目安として」となっており、必ず事前に説明することを義務づけられているわけではなく、 納入開始後2週間以内を「目安」として医薬情報担当者による説明及び協力依頼を実施することになっております。
この点、弊社における12月19日現在の集計では、本剤を納入した病院・診療所の施設総数は1,840であり、その内、納入前に説明を実施した施設数は1,539でした。 また、納入後に説明を実施した施設数は299であり、そのほとんどは納入後2週間以内に説明を実施しております。 ただし訪問の目安である2週間を超えてしまった施設は11施設ありましたが、それらは、医師の急病、医師のアポイントメントが頂けなかったこと、その他やむを得ない理由によるもので、その後説明を行っています。
なお、訪問や電話による説明を受付けない施設が2施設ありましたが、当該2施設については代替手段として、市販直後調査の説明及び依頼に関する文書をFaxにて送付し、継続的に同調査への協力を依頼しておりました。
イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)についての報道に関するアストラゼネカの見解(http://www.astrazeneca.co.jp/activity/other/detail/03_03_11.html)

新薬について製薬会社の方から説明をすると言っているのに「訪問や電話による説明を受付けない施設が2施設ありました」とはどういうことか。 この「当該2施設」は製薬会社の説明を受けずに、未知の新薬を使って、副作用対策等のまともな医療行為が行なえたのか。 何故、この「当該2施設」は説明を拒まなければならなかったのか。

インチキ“治療”法との関連 

治療データを捏造して逮捕された近畿大学医学部某元教授のインチキ診療所でもイレッサを使っていた。 まさか自分に当たるなんて 癌掲示板-イレッサと副作用 と主張した自称医師も、似非“治療”法を実践する医師と同様に、非科学的な“根拠”で似非“治療”法を推奨していた。

能書探してきてがたがた言ってた医者なんだけど。
たまたまアガリスク自分で飲んでみた。あと、medline引いてみた。
どうも効果有りそう。論文上も。臨床的に生存期間延長するのとはすこし距離があるのか
無いのか知らないが。少なくとも良い方向に後押ししてくれるだろうと確信した。
自分での効果:
ケロイド状になりかかって変な細胞が生えてきそうな古傷が縮小した。(たぶん抗腫瘍効果の一環だろう)
悩んでいた前立腺炎が軽快した(抗真菌感染=抗腫瘍、の効果?)
カビやキノコに対する細胞性免疫と腫瘍撃退する細胞性免疫って似てるから。
キノコ食べて免疫賦活、ってあながち嘘じゃないかも。
安いもんだし試してみても良いんでは?
癌掲示板-イレッサと副作用(http://gankeijiban.com/bbs/read.cgi?bbs=020mune&key=1005825428&st=528&to=528&nofirst=true)

次のような自称医師(その正体はセカンドオピニオンWebサイトの主催者であるとの噂があるが真相は定かでない)の証言もある。

私も調べました
投稿者: nored22
残念ながら自由診療をうたう医療機関にてそうしたイレッサの適切でない投与があるようです。
血管内治療をうたう横浜の某クリ二ック、あるいは横浜コンF病院、その他ぞろぞろあります。
癌-Yahoo!掲示板

使用数の実態がつかめないので仮定でしか言えないのだが、もしも、インチキ“治療”法のせいで大量の副作用死が産まれたのであれば、その責任を国や製薬会社に押しつけるのは間違っている。

まとめ 

これら不適切な医療行為の実態については、データがないので定量的には何とも言えない。 しかし、これら不適切な医療行為が被害拡大に一定程度の関与があったことには疑いの余地がない。 そして、これら不適切な医療行為がほぼ全ての元凶であると断定するだけの証拠はないが、それを否定する証拠もない。 公開されている範囲のデータでは、これら不適切な医療行為がほぼ全ての元凶であるとしても何ら矛盾は生じない。

残念なことに、これは、現時点では疑惑レベルの話でしかない。 しかし、真相を明らかにする必要がある重大な疑惑である。 そして、国や製薬会社ならば、真相を明らかにするためのデータを出せるはずである。 国や製薬会社は、今すぐ、詳細なデータを公開すべきであり、マスコミは、この疑惑を徹底的に追及すべきである。

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